写真:東京メトロ

東京メトロは2020年10月30日(土)、2021年春のダイヤ改正で東京メトロ全路線の終電時刻をおおむね10分ほど繰上げると発表しました。初電繰下げの予定はありません。

東京メトロは路線の特徴としてターミナル駅間の輸送を担っているため、それぞれのターミナル駅で他社線との接続を考慮して繰上げ時間の設定が行われます。相互直通運転路線においても同様に直通先の繰上げ状況を踏まえます。

東京メトロ線及び他社線との終電の接続が現在と変わることもあるため、接続する列車の事前告知・案内は徹底するとしています。

終電繰上げの目的は夜間作業時間確保

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同社の路線は都心部のトンネルが主体。夜間作業に必要な作業用車両は主として都心部近郊の車両基地に留置されており、終電後の作業箇所への移動に時間を要していました。そのため、作業用車両を用いる夜間作業の正味時間が60分~100分程度になる場合もあります。

また、東京メトロでは近年列車の安全・安定運行に係る既存設備や構築などの維持更新、ホームドアの設置や耐震補強、バリアフリー設備などの充実を図っており、夜間作業件数は年々増加傾向にあります。夜間作業時間の確保は喫緊の課題でした。

夜間作業件数の推移 画像:東京メトロ
ホームドア整備駅数の推移(予定) 画像:東京メトロ

ダイヤ改正により夜間作業時間を確保すれば、これまで以上に安全かつ効率的に作業を行うことができ、工期短縮などの効果も期待できます。同社は設備の状態基準保全(CBM、Condition Based Maintenance)の開発を進め、設備状態データを活用することで検査周期や検査項目の見直しを図るなど、生産性向上を目指すとしています。

鉄道チャンネル編集部