※2019年6月撮影

トップ画像は、2020年(令和2年)5月に廃止されたJR北海道札沼線の晩生内駅。順番に廃止された区間の駅を並べています。懐かしいですね。

今回も全面的に余談です。

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※2019年6月撮影 札比内駅

コロナ・ウィルス感染拡大による緊急事態宣言が東京都、筆者の住む神奈川県、そして埼玉県、千葉県で2週間延長され2021年3月21日(日)までとなりました。

行動の予定がたてられません。西武新宿線の【駅ぶら】撮影も延び延びです。

コロナ・ウィルス感染者は、最多のアメリカ合衆国では2883万人、死者も52万人という凄まじい状況です。

バイデン大統領が先日「第一次世界大戦、第二次世界大戦、そしてヴェトナム戦争での死者数を足したよりも多くのアメリカ人がコロナ・ウィルスで死んでいる」と述べていました。

※2019年6月撮影 豊ヶ岡駅

世界全体でコロナ・ウィルス感染者は1億人を越え、死者も300万人に迫ろうという勢いです。コロナ・ウィルス感染拡大への対策は、どうやら全体的に見れば「社会を冷やすこと」に向かっている様な気がします。

日本は、感染者約44万人、死者約9千人、・・・と幸いなコトに人口比で考えれば諸外国に比べて圧倒的に抑制された状態です。アメリカ合衆国の人口を3億人、日本を1億人として、単純に合衆国の数値を日本にあてはめれば、感染者は961万人、死者17.3万人という数値になるのです。

※2019年6月撮影 石狩月形駅

鉄道チャンネルとして心配なのは、鉄道各社収支の悪化です。

昨年11月に発表された鉄道各社の2020年度第二四半期の決算でも売上6割減のJR東海を筆頭に、JR東日本、JR西日本も半減、大手私鉄も軒並み二割~半減と大きく売上を減らしました。この数値が急速に好転するとは考え難い状況です。

※2019年6月撮影 知来乙駅

ところでコロナ・ウィルス感染が終息したら、元の脳天気な「緩く暖かな社会」が戻って来るのでしょうか?

筆者は、あまり楽観的にははなれません。

ユーザーが夢から覚めたまま、消費行動の冷ややかさが維持される気がします。

※2019年6月撮影 月ヶ岡駅

昭和40年代の「暮らしの手帖」が前提にしていたある種「生真面目」な価値観です。

「にこやかに提供される娯楽」に対して、労働の対価を野放図に費やすことが「軽蔑される」「冷ややかな消費者」がマジョリティーになるのではないでしょうか。

年収が下がった平均的生活者は、年間パスポートで週末を過ごさなくなります。

※2019年6月撮影 中小屋駅

欲望充足は、さらにC/P(コスト・パフォーマンス)で怜悧に計量化されます。「寛大な消費」は、もはや「過去の夢」となって演歌の歌詞の中にしか出てこなくなるのです。

「FIRE」という計算高い人生設計はその象徴ではないでしょうか?

「マーケティングの枠組み」も根本からの変更を余儀なくされます。”他人の欲望の対象”は、所詮”他人事”に過ぎないことが分かってしまうのです。

※2019年6月撮影 本中小屋駅

各自の”趣味”は、覚悟の上で肥大化するか、サブスク消費の隙間に小さく収まるか、二極化する様な気がします。

他人の体温を金銭に換算しなくなった冷ややかな世界。

※2019年6月撮影 石狩金沢駅

私たちの楽しい”鉄道趣味”は、いったいどこに向かうのでしょう。

ハイホー。

・・・と余談にもならない寝言でしたが、マジ、コロナ・ウィルス感染拡大は私たちの価値観を大きく揺さぶっています。

※2019年6月撮影 下徳富駅

ダイヤのない人生に変化しないコトなどない、とアタマでは分かってはいますが、落ち着きません。

(写真・文/住田至朗)

※鉄道撮影は鉄道会社と利用者・関係者等のご厚意で撮らせていただいているものです。ありがとうございます。