引退した東海道新幹線700系の再生アルミを「ザボディショップ」に 店舗内装用建材に初提供
JR東海は、新幹線再生アルミを英国の化粧品ブランド「ザボディショップ」に店舗内装用建材として、初めて提供する。
この新幹線再生アルミをつくりだす技術を開発したのは、JR東海グループの東京ステーション開発。
同社は、新幹線車両に使用されていたアルミから不純物を除去し高純度のアルミ合金のみを抽出する新たなアルミのリサイクル技術を開発。特許(特許第6786689号)を取得した。
また、再生アルミの製造・販売と用途開拓は、同グループのジェイアール東海商事が手がけている。
今回の再生アルミは、2020年3月に引退した東海道新幹線700系の車体アルミをリサイクル。今後はN700系車両もリサイクルの対象とする予定。
新幹線再生アルミの特長は、アルミを新製する場合に比べ製造時に必要なエネルギーを抑えられるため、CO2排出量を97%削減し、環境への負荷を軽減できる。
また、新幹線車両に使用されていた強度の高いアルミの再生素材のため、装飾だけでなく、建築材料や精密機械にも使用できるという。
「全世界約3,000店舗あるザボディショップのストアのなかでも、日本独自の取り組みとして、JR東海の提供する、引退した東海道新幹線の車両アルミをリサイクルして店舗内装へ活用。役割を終えた素材に新しい命を吹き込むことで、よりサステナブルな店舗内装の開発を実現した」
「このJR東海の提供する新幹線再生アルミを店舗内装用建材として使用するのは、JR東海グループ以外で初。環境負荷を減らし資源の有効利用を推進しているJR東海と、多くのサステナブルな活動を実施してきたザボディショップが、地球環境保全の視点でお互いに賛同し、今回の取り組みをすることに」
「店舗ではこの新幹線再生アルミを、レジカウンター、ウィンドーフレーム、ハンドクリームコーナーの背面、バックカウンター背面壁等に使用している」(ザボディショップジャパン)
JR東海グループは今後、新幹線再生アルミの用途を拡大し、マテリアルリサイクルを通じて環境負荷軽減の取り組みを推進していくという。
(画像:JR東海・ザボディショップジャパン)