1927(昭和2)年に全面開園し、東京23区内にある遊園地として親しまれ、衝撃的なキャッチコピーで世をわかせた―――としまえん。

2020年夏、94年の歴史に幕を閉じた としまえん には、いろいろな線路が敷かれていた。

デートの2人やファミリーに人気だったアトラクション、「模型列車」もそのひとつ。

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としまえん模型列車は、軌間600mm、全長526mの線路を、アメリカ開拓時代を想わせる蒸気機関車イメージのディーゼル機関車が3両の客車を引いてぐるっと走っていた。

このとしまえん模型列車には、2編成がいた。赤色の車体に青の「フラワープリンセス号」と、黒とシルバーの「ウエスタンシルバー号」。

この2編成のうち、ウエスタンシルバー号は、としまえん 閉園後、いま話題の新生 西武園ゆうえんち(埼玉県所沢市)の「レッツゴー!レオランド」内に場所を移し、装いを新たに「レオとライヤの夕日列車」として走っている。

↑↑↑画像は、新天地の西武園ゆうえんちで活躍するウエスタンシルバー号。

じゃあ、もう1編成のフラワープリンセス号は としまえん閉園後、どこへ行ったか、というと……。

遊具・景観施設の国内トップメーカー「タカオ」の広島・福山本社にいた!

なんと、広島県の福山駅から6km北にある、遊具・景観施設の国内トップメーカー「タカオ」の福山本社にいる!

なぜタカオに行ったか。タカオの高尾典秀 代表取締役社長と、豊島園 依田龍也社長(現 西武レクリエーション代表取締役社長)とのつながりもあって譲渡が実現したともいう。

そんな縁から、としまえんフラワープリンセス号は、広大な敷地に工場や本社機能を構える広島県福山市御幸町中津原のタカオ福山本社へ昨年末にトレーラーで運ばれた。

タカオの福山本社敷地内に送り込まれた としまえんフラワープリンセス号は、今後どんな道を歩むか。

タカオ 高尾典秀 代表取締役社長に聞くと、胸アツな“第二の人生”が待っていた。

「タカオ福山本社内のどこを走らせるか、線路レイアウトやルートなどは検討中。敷地が広いので、としまえん時代の全長526mを超える軌道にはなるはず。線路や枕木はタカオが自社で調達する」

「ただ、営業目的で列車を走らせることはできない。今後の活用イメージは、たとえばタカオ福山本社内の見学者や、関係者、インターシップなどを対象に、敷地内の移動で乗ってもらうとか」

「たとえば、地元の小学生たちの社会科見学など、学校などから話があれば、列車に乗ってもらいながら工場を見学するといったツアーも対応したい。もちろん、関係者や一般の大人たちの工場視察や商品体験などの機会にも列車に乗ってもらえれば」

―――高尾社長はそう話し、「できればことし9月には列車が走るようにしたい」とも教えてくれた。

としまえん模型列車の線路をゲットできるチャンス!

西武鉄道は、としまえん模型列車が走っていたレールをスライスカットし、2021年6月5日に開催される「西武・電車フェスタ 2021 in 武蔵丘車両検修場」で発売する。

価格は2000円、販売数は100個。

仕様は15kgレール。15kgレールとは、1mぶんの重さが15kgのレールのこと。商品の重さは約135g。高さ約80mm、最大幅約80mm、厚さ約9mm。台紙つき。

としまえん模型列車が走っていたレールをスライスカットは早いものがち。詳しくは「西武・電車フェスタ 2021 in 武蔵丘車両検修場」公式ホームページを、チェック。

◆としまえん跡地の完成図がみえてきた! 豊島園駅上空からみた「ワーナー ブラザース スタジオツアー東京 ‐メイキング・オブ ハリー・ポッター」
https://tetsudo-ch.com/11461586.html

©TEZUKA PRODUCTIONS