「大阪環状線60年記念」のロゴマーク

これまでも、ここからも、この大阪のまちで! 「大阪環状線~つながって60年~」――。JR西日本は、大阪環状線の開業60周年を記念するプロモーションを発表した。大阪市中心部をぐるり一周する大阪環状線は、1961年4月に、大阪臨港線の境川信号場から西成線西九条までがつながったことで全区間が開通した。

プロモーションでは、記念ロゴマークを作成。デザインは、線区を模した円形の外枠に、環状線に乗り入れる大和路快速、関空・紀州路快速それぞれをイメージする緑、青色を加え、中心部には代表車両といえる103系電車、さらには2016年度から営業運転に入った新鋭・323系電車の前面イラストをあしらった。

JR西日本が環状線プロモーションで予定するのは、①地域と連携した魅力発信、②大阪環状線の歴史をひもとく駅構内展示・情報発信――の2項目。地域連携では、森ノ宮医療学園と連携した安全・安心な街づくりへの取り組み、近畿大学とタイアップしたSNS活用の沿線の魅力発信などを考える。駅構内展示では、ポスターで全線開業当時の駅の様子や歴代車両を紹介する。詳細は今後、発表する。

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さらに、JR西日本の「おでかけネット」に大阪環状線をアピールする特設サイトを開設。京都鉄道博物館での、60周年企画展も予定する。ファンお目当てのオリジナルグッズは、グループのジェイアール西日本商事が企画・発売。クリアファイル、キーホルダー、Nゲージ車両、雑貨などを予定する。

大阪環状線の東半分の大阪―天王寺間は、大阪と奈良を結ぶ大阪鉄道が開業し、後に国有化された。西半分の大阪―安治川口間は西成鉄道が開業し、同じく国有化で国鉄西成線になった。しかし、環状運転は戦後に持ち越され、1961年4月25日に大阪環状線が全通した。

国鉄時代は西の大阪環状線、東の山手線と東西の環状鉄道が並べて語られたが、東京、池袋、新宿、渋谷とターミナル駅が並ぶ山手線に対し、街がキタとミナミの2極構造の大阪では環状線の主要ターミナルは北の大阪、南の天王寺の2駅。かつては東半分が賑わっていたが、最近はユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)などで、西側の街づくりが進む。

文:上里夏生
(画像:JR西日本)