私の中で、東北のはじまりが黒磯駅だとお伝えしてきましたが、本当の関所は白河の関にありました。いまも白河市から福島県となり、さらに進むと交通の要衝である郡山に着きます。

先にご紹介した581系改造の715系1000番台と並んで、この地域の主役だったのが455系です。直流用153系をベースとして誕生した交直流用急行型電車で、451系、453系、455系(さらに西日本60Hz用の471系から始まる系列もあります)と多くの系列を持つグループです。上野を起点に東北本線の急行「まつしま」「ばんだい」「ざおう」、常磐線の急行「ときわ」などを中心に活躍していました。

これらの列車は東北・上越新幹線開業を機に徐々に縮小され、1985年の新幹線上野乗り入れに伴って完全に廃止されました。その後は短編成化され、東北地区の普通列車として運用されました。

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基本的に3両編成単位で運用され、塗装も白地に緑帯の東北色に返納されました。車内も車端部がロングシート化された車両が多かった記憶です。写真は「快速」幕になっていますが、急行から格下げされた磐越西線の快速「ばんだい」で、郡山駅で発車を待っています。

この列車は3両編成が2編成連結されて6両編成での運転でした。

この写真のように、未改造の急行時代のローズピンクとクリーム色の塗装が残った車両と混成されていました。

右側の車両はドア上に「禁煙車」のステッカーが貼ってありますが、左側にはありません。まだ喫煙可能な車両がふつうに運転されている時代でした。

また、非電化区間においても同様に、左側のキハ58のように急行用車両が普通列車に運用されることが多い時代でした。

記事:芝系太