インテリアにも凝った試験車両

「HYBARI」車両内観

「HYBARI」はあくまで試験車であり、営業用の電車として利用者を乗せて走るわけではありませんが、内装も普通の客室のように仕上げられています。

基調となる色は自然のエネルギーを感じさせる緑。シートは大自然の山並みと飛び交うHYBARIのグラフィックを配したデザインとなっています。また床面は山あいの小川に見立て、燃料電池から排出された水が自然に帰っていくことをイメージしたそうです。

「HYBARI」座席

車内にはエネルギーフローを紹介する車内情報表示器も設置されており、「HYBARI」の仕組みが分かりやすく図解されていました。

車内に設置された、エネルギーフローを紹介する車内情報表示器
sustinaブランドであることを示す銘板
「HYBARI」車両運転台

実証試験は3月下旬から

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JR東日本は、2022年3月下旬から南武線(川崎~登戸)、鶴見線および南武線尻手支線で実証試験を行います。試験では車両性能をみるだけでなく、水素燃料電池と蓄電池のハイブリッド制御、水素消費量の測定、水素充填方法の検証なども実施します。

鶴見線や南武線が選ばれたのは、水素の製造・供給に適した臨海部であること、また神奈川県、横浜市、川崎市などは水素の施策に先進的に取り組んでおり、水素に関する理解のある自治体であるといった事情からだそうです。

記事:一橋正浩