日観振副会長に就任した後藤西武HD社長(左)と冨田JR東日本会長(右)。中央は髙橋広行JTB会長(筆者撮影)

訪日外国人の団体旅行者の受け入れが、約2年ぶりで再開されるなど観光のニュースが相次ぐ。国内観光の推進母体・日本観光振興協会(日観振)が2022年6月10日に東京都港区の東京プリンスホテルで開いた通常総会では、コロナ収束と観光による地域経済振興を同時並行的に進めることを確認した。

日観振にはJRグループ旅客会社のほか、全国の主要私鉄が加盟する。会員企業や自治体からは、観光列車や鉄道ツアーによる地域観光振興に多くの期待が語られた。

2022年は西九州新幹線開業の年で、鉄道業界はもちろん観光界でも新しい新幹線は期待の的だ。JRグループと地元は2022年10~12月に佐賀・長崎ディスティネーションキャンペーン(DC)を展開するが、日観振が見据えるのはその先、2024年春を予定する北陸新幹線の敦賀延伸開業だ。

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2021年には、福井県で「観光立国タウンミーティングin福井」を開催。今後も、福井観光ブランドの確立や情報発信で北陸観光の盛り上げに努力する。

総会会場で聞かれたのが、鉄道各社のSNSによる列車や沿線のPR。代表例が、JR東日本盛岡、秋田支社が2022年7~9月に展開する「北東北三県大型観光キャンペーン『ドキドキ、キタキタ、北東北』」。訪日客の本格受け入れ再開を視野に、アメリカ、オーストラリア、フランスなど12カ国・地域に向け、SNSでエリアの魅力を伝える。

総会では役員改選が行われ、鉄道業界からは後藤高志西武ホールディングス(HD)社長、冨田哲郎JR東日本会長、原田一之京浜急行電鉄社長、安富正文東京メトロ顧問(順不同)の4人が副会長に就任。JR東日本出身の久保田穣理事長が再任された。

記事:上里夏生