誰かに伝えたい思いはアートを通して誰もが表現できること、そしてアートは、共生社会を築いていくなかで、決して欠かすことのできない存在であるという気づきをもたらしてくれる展覧会―――日本財団 DIVERSITY IN THE ARTS 公募展。

その第5回 日本財団 DIVERSITY IN THE ARTS 公募展が、3月15日~4月17日の1か月間、東京・横浜・大阪で順次開催される。

今回は、国内外12か国から2246作品の応募があり、各界で活躍する6名の審査員の厳正なる審査を経て、128作品(審査員賞6作家8作品、海外作品賞1作家1作品、入賞43作家53作品、佳作50作家66作品)を選出。

ADVERTISEMENT

東京・横浜・大阪の3会場には、審査員賞、海外作品賞、入賞作品、海外応募作品の一部をあわせ87点を、審査員の1人である美術家/アートディレクター 中津川浩章氏のディレクションで展示・紹介する。

国鉄形車両や鉄道車両の陸上輸送も描かれた傑作も

堀正宗(大阪府)《ドライブ》は、色鉛筆・カラーペン・画用紙で仕上げた9枚組。上田バロン賞受賞作品。

「その大きな連作の構成と1枚1枚の密度に何度も目が惹き寄せられた。作品の解説にも図鑑や航空写真など一切使用していないという記述もあり、明確な自分自身の記憶の中の世界をはっきりと記録し、それだけを正確に描き出している表現なのかと考察し、ボクが非常に驚いた部分」

そう上田バロン氏が総評するように、さまざまな乗り物がこと細かく描かれて緻密なのに、なぜか見る人を自然と笑顔にさせる作品。

クリーム色に赤の国鉄特急形車両や、新幹線0系、蒸気機関車、郵便車、トレーラーに載せられたJR九州485系?も……。

油性ペンで描いたダイナミックな電車と見事なアーチ橋

岡村維吹(東京都)《鉄道橋を走る電車》は、油性ペンと紙で仕上げた1枚。

思ったイメージをひと筆書きのように、ズバッと描いたような印象の、ダイナミックな作品。

彼がいう「電車」は、右へ走っているのか、左へか。見事なアーチ型の橋脚をもつ「鉄道橋」は、どこのイメージか……。

4月15日 14:00~16:00に授賞式・トークセッションを開催!

こうしたアートから見いだす新しい価値が、わたしたちの心を豊かにしていく―――。

2000点を超える応募作品のなかから選ばれた、障害のあるアーティストによる作品を展示する「第5回 日本財団 DIVERSITY IN THE ARTS 公募展」は、次の東京・横浜・大阪で開催。

◆東京会場:Bunkamura Gallery/Wall Gallery 2023年3月15日(水)~3月26日(日)

◆横浜会場:障害者スポーツ文化センター 横浜ラポール 2023年3月29日(水)~4月2日(日)

◆大阪会場:阪急うめだ本店 9階 阪急うめだホール 2023年4月12日(水)~4月17日(月)

―――今回の「第5回 日本財団 DIVERSITY IN THE ARTS 公募展」では、4月15日(土)14:00~16:00に、各界で活躍する専門家による審査にて選出された作品のなかから、審査員賞・海外作品賞を受賞した作家7名の授賞式を開催。

トークセッションでは、審査員を務めた秋元雄史氏と中津川浩章氏が、これまでの公募展を振り返り、「障害者と芸術文化」について語るという。

詳しくは、「第5回 日本財団 DIVERSITY IN THE ARTS 公募展」で、検索。

「障害者と芸術文化」の領域を支援「日本財団 DIVERSITY IN THE ARTSプロジェクト」

日本財団がすすめる「日本財団 DIVERSITY IN THE ARTSプロジェクト」は、「障害者と芸術文化」の領域への支援を通して、誰もが参加できるインクルーシブな社会の実現を目指すプロジェクト。

既成の形式にとらわれない多彩な展覧会などの企画、積極的かつ横断的な情報発信など、多様性の意義と価値を広く伝えるさまざまな事業を実施している。