元禄二年(1689)の庚申供養塔【駅ぶら05】京成押上線275
※2023年3月撮影
トップ画像は「ゆりのき橋通り」から八広駅入口を見ています。駅自体は高架線に沿って50m以上入ったところにあります。初めて駅に降りた時はちょっと戸惑いました。
「ゆりのき橋通り」の東側から京成押上線を見るとガードに「京成電鉄八広駅→」と掲示されています。確かに知らないと駅が分かり難いかもしれません。
※2023年3月撮影
八広中央通り交差点近くに「八広庚申塔」があります。
※2023年3月撮影
きちんと整備された佇まいです。
※2023年3月撮影
入ってすぐ左に馬頭観音の石碑があり、サイドに「天下泰平」「村内安全」と刻まれていました。言うまでもなく馬は、近世まで重要な交通手段でした。その供養塔として多くの碑が路傍に祀られたのです。
※2023年3月撮影
堂には三体の石仏が並んでいました。しかし肝心の庚申塔が鈴緒(鈴を鳴らす綱)でよく見えません。
※2023年3月撮影
カメラ位置をずらしました。
※2023年3月撮影
墨田区の登録文化財です。案内看板の内容を以下に写します。
「この地はもと大畑村の地域で「新編武蔵風土記稿」によれば、元禄の改郷帳に初めて大畑新田村と記載され、後に新田を省いています。また前記風土記稿には「庚申堂村持」ともみえ、当時から庚申堂が村の人々によって維持されていたことがわかります。
庚申堂内向って左から地蔵菩薩像、中央が駒型庚申供養塔、右が観音菩薩像です。
庚申塔は左右に「奉造立青面金剛庚申供養現当安楽所」「元禄二己巳年正月吉日大畠村」(一六八九)とあり、台座の銘の部分を巾広くとり「宇田川彦兵衛・坂田平兵衞」等十一名の建立者が刻まれています。
地蔵菩薩像には「地蔵尊講中 上大畑村」「享保五子天九月吉日」(一七二0)の銘があり、この地域の人の建立であることがわかります。また、観音像は全体に摩滅し、銘等不明ながら同時代のものと考えられます。 平成五年三月 墨田区」
庚申堂の右に弘法大師の座像がありました。南葛飾八十八ヵ所の第五十四番札所です。
※2023年3月撮影
八広中央通りに戻ります。
※2023年3月撮影
三輪里稲荷神社を目指して南に歩きます。
※2023年3月撮影
(写真・文/住田至朗)
※駅構内などは京成電鉄さんの許可をいただいて撮影しています。
※鉄道撮影は鉄道会社と利用者・関係者等のご厚意で撮らせていただいているものです。ありがとうございます。
※参照資料:『京成電鉄85年の歩み』(1996年/総務部編)『京成電鉄100年の歩み』(2009年/経営統括部編)他