いきなり森の中に入りました。にわか雨が降ったの? と思う程線路が濡れて見えます。でも乗っている電車に雨は降っていません。

カーブを下りながら森を抜けます。やっぱり雨の降った形跡があります。

20パーミルの勾配の下に駅があります。

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朝日ヶ丘駅から1.6kmで松江イングリッシュガーデン前駅。島式ホーム1面2線の交換可能駅です。丸いミラーが並んでいるので、遠くからは眼の様に見えました。

駅名標。この駅も複雑な歴史があります。1928年(昭和3年)許曽志(こそし)駅として開業。1946年(昭和21年)古曽志(読みは同じ こそし)駅に改称。1964年(昭和39年)浜佐陀駅(廃止)と古曽志駅(移転存続)を統合して古江駅に改称されました。ここで一畑電車のホームページを引用します。

「北へ徒歩で約10分行くと、「猿田彦命(さるたひこのみこと)」と「天宇受売命(あめのうずめのみこと)」を祀る許曽志(こそし)神社があり、参道には狛犬の代わりに、この2柱に因む猿と鶏の石造が出迎えます。」

それで最初が許曽志(こそし)駅だったのですね。

37年後、2001年(平成13年)駅前にルイス・C・ティファニー庭園美術館がオープン、「ルイス・C・ティファニー庭園美術館前駅」に改称しました。「るいすしーてぃふぁにーていえんびじゅつかんまええき」という日本一長い駅名になったのです。

しかし「ルイス・C・ティファニー庭園美術館」が2007年(平成19年)閉館、付属していた松江イングリッシュガーデンが残されたので「松江イングリッシュガーデン前駅」に改称。日本一長い駅名ではなくなりました。日本一は熊本県の南阿蘇鉄道の「南阿蘇水の生まれる里白水高原(みなみあそみずのうまれるさとはくすいこうげん)」ですね。残念ながら熊本地震に被災したため駅は休止中です。

しかし90年間で5つの駅名というのも、ちょっと激しい。(笑)

平均乗車人員は、137人/日(2015年 一畑電車調べ)。40年近く古江駅だったために駅の近隣には古江を名乗る商店があるのだそうです。さもありなん。

ホームから。駅の北側は農地。一畑電車のホームページには、

「駅の北側に広がる豊かな田園地帯は、奈良時代まで「佐太の水海(さだのみずうみ)」と言われる内海でした。」

とありました。

松江イングリッシュガーデン自体は反対の南側、国道431号線のさらに南にあって駅からは見えません。

南側には国道431号線が通っています。

松江イングリッシュガーデン駅にむけて内陸部に入りましたが、ここからは宍道湖畔に向けて南下します。

湖畔に出ました。あ〜あ、天気が良かったらなぁ、と詮の無い独り言は無視します。国道には「松江しんじ湖温泉0.7km」の表示。もうすぐ終点に着きます。

駐まっているカラフルな電車が見えました。松江しんじ湖温泉駅に着いた様です。

電鉄出雲市駅からちょうど60分で松江しんじ湖温泉駅に到着です。何度かこの駅にも来ています。

次回、【私鉄に乗ろう92】一畑電車 その15 で駅をゆっくり見ます。

(写真・記事/住田至朗)