「ToLocca」のサービスを説明するJR東日本 佐野太さん

JR東日本はあす2020年3月25日(火)、山手線内を中心とする11駅でロッカー予約サービス「To Locca」を開始します。

あらかじめWEBサイト上で日時を指定しコインロッカーを予約できるサービスはJR東日本初。最小サイズであれば1時間100円(税込)から予約できる手軽さが強みで、お買い物やランチなどの短時間の利用に適しています。

【関連記事】
スマートフォンで事前にロッカー予約 山手線を中心に11駅で3/25開始――JR東日本グループ初

会員登録を行い、場所・ロッカーサイズ・使用時間を予約すると、使用開始時間の15分前に予約番号が送られてくる
予約番号を操作パネルで入力すると、使用するロッカーを案内してもらえる仕組みだ

ADVERTISEMENT

To LoccaのWEBサイトから場所と時間・サイズを選べば予約は完了。使用時間の15分前に予約番号が送られてきます。当日、当該ロッカーの操作パネルで予約番号を入力すると、使用するロッカーを画面上で案内してもらえます。

予約番号を入力。取り出すときにも必要なのでスマートフォンをロッカーの中に入れてしまわないよう注意が必要

各サイズに関しては、ハンドバッグや小さなリュック、折り畳み傘程度ならSサイズで十分。Mサイズなら男性用の大きなカバンも入ります。Lサイズは旅行・出張の際にスーツケースなどの大型荷物向けです。

使用時間を過ぎてしまう場合はWEB上で手続きを行うことで1時間あたり100円で延長できるようになっています。手続きをせずに延滞した場合は30分ごとに100円ずつ利用料が加算されていきますが、延滞料金にも上限があるため、法外な使用料を請求されることはありません。なお、直前にロッカーを借りている人が延滞した場合は、満杯でなければ都度空いた口を案内するなど、さほど影響が出ないつくりになっているようです。

細かいニーズに応え、他のサービスへの連携も視野に

繁忙期に顕著なことですが、東京駅などのロッカーは朝早い時間帯に埋まってしまいます。インタビューに応じたJR東日本の佐野太(さのふとし)さんは、To Loccaは「確実にロッカーを確保したい」「短時間利用したい」といった顧客のニーズに細かく応えられるサービスになるのではないかとコメントしました。

日本のロッカーは概ね同じ仕様のため、導入に際しても既存の基盤にデバイスをつけてシステムの改修を行うだけで良く、さほどコストをかけずに済みます。JR東日本管内だけでおよそ30,000口のロッカーがあり、電子化されたロッカーは15,000〜16,000口ほど。具体的な数値目標は利用実態に合わせて調整するとしつつも、その1〜2割(1,500〜3,000)ほどを置き換える見込みです。

JR東日本は今後、2021年3月までにサービス利用範囲を30駅に拡大し、エリア外への展開やJRE POINT・MaaSとの連携、荷物受取・発送サービスへの対応などを目指しています。他社との連携に関しても「もし便利だと思っていただけたら、私どもが作ったプラットォームをご利用いただくことは十分に可能だ」(同氏)と前向きな姿勢を示しました。

文/写真:一橋正浩