もうすぐ見頃!嵯峨野トロッコ列車で楽しむ紅葉ライトアップ
京都・嵐山と亀岡市を結ぶ嵯峨野観光鉄道は、期間限定で沿線のライトアップを実施し「ライトアップトロッコ列車」を運行しています。本稿では、紅葉の見頃に先立ち11月6日に開催された試乗会の様子をご紹介します。
嵯峨野トロッコ列車の出発駅は、トロッコ嵯峨駅。JR嵯峨嵐山駅に隣接している駅で、日中は観光客で賑わっています。
蒸気機関車が保存されている「19世紀ホール」や西日本最大級の鉄道ジオラマ「ジオラマ京都JAPAN」(有料)が併設されています。さらに、オリジナルグッズや鉄道グッズを扱う売店なども充実。時間に十分な余裕をもたせて駅に来て、お土産を買ったり蒸気機関車やジオラマを楽しんだりして出発を待つのもおすすめです(なお、19世紀ホールの営業時間とジオラマ京都JAPANの入場受付は17時までなのでご注意ください)。
さて、今回試乗したのは嵯峨野トロッコ列車の5号車「リッチ」号。窓ガラスがなく、天井もシースルーになっていて開放感抜群の客車です。
駅員の方々に見送られてトロッコ嵯峨駅を出発した列車は、まもなくトロッコ嵐山駅に停車。トロッコ嵐山駅に隣接する亀山トンネルを抜けると、最初のライトアップ箇所にさしかかります。
ライトアップされた紅葉の向こうに見えるのは人気の旅館「星のや京都」の明かり。星のや京都がある場所は、もともと保津川や高瀬川を整備したことで知られる豪商・角倉了以(すみのくらりょうい)の別宅があった風光明媚な場所です。列車はここにしばらく停車するので、その間じっくり景色を楽しめます。
嵯峨野観光鉄道の沿線には約1000本の紅葉が植えられていて、約800基の照明が設置されています。この照明はひとつひとつ、社員が手で磨きあげたとのこと。おもてなしの心を感じます。
ライトアップと合わせて楽しみたいのが、車掌さんによるサービス精神たっぷりのガイドアナウンスです。
ライトアップ箇所の予告や見どころポイントはもちろん、嵯峨野トロッコ列車の歴史や沿線の歴史。そしてさらに、車窓から見えるJRの線路や駅、国鉄時代に使われていた保線工事の見張り台やトンネルの天井に残る蒸気機関車の煤(すす)の話など、鉄道ファン的にも聞き逃がせない情報が盛りだくさんです。ぜひ、しっかり耳を傾けてみてください。
また、嵯峨野観光鉄道では本格的な紅葉シーズンを前に、乗客の安心・安全に対する取り組みも行っています。車内には抗ウイルス加工済み。駅には消毒液を設置するなどして、感染症拡大予防対策も行っています。
嵯峨野トロッコ列車のライトアップ列車は、1日1往復(11月12日から12月1日までは1日2往復)運行されます。トロッコ嵯峨駅を出発するのは、1往復運行日は17時10分、2往復運行する日はさらに18時17分発の便も登場します。
紅葉の見頃は11月中旬から12月上旬までの予想です。嵐山を訪れる機会がある人は、嵯峨野トロッコ列車で紅葉のライトアップを楽しんでみてはいかがでしょうか。
文/写真:鶴原早恵子