JR東海は、新幹線16駅と在来線20駅の上屋耐震補強に着手する。工事費は約260億円、工事期間は2021年7月~2033年3月を予定。

同社は2011年3月の東日本大震災によるプラットホーム上家の被災事例をふまえ、地震発生時の安全性をより一層高めるため、各駅のプラットホーム上家の耐震診断や補強方法を検討してきた。

今回、耐震補強する駅は、新幹線の品川駅をのぞく16駅、在来線の利用客1日1万人以上の駅のうち、対策不要の駅やレール造の上家をのぞく20駅。

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レール造の上屋とは、柱や梁にレールを使用した上家のこと。今回の駅数は新幹線・在来線の併設駅(三島・静岡・浜松)はそれぞれで計上している。

今回の耐震補強では、柱・梁の接合部にダンパーを取り付ける新工法を開発し、新幹線駅と一部の在来線駅に採用。駅のプラットホーム上家の柱・梁などを補強することで、強い揺れに対する耐震性能を確保する。

この新工法で、従来工法と同等の耐震性能を確保しつつ、計画全体で約3割のコスト削減を実現させる。

具体的には、線路と並行する方向にのびる梁と、ホームから垂直に伸びる柱の接合部にダンパーを取り付けるほか、柱とホーム床面を接続する柱脚部にプレートを取り付け、補強する。

従来は、(1)柱と梁の接合部に斜材を入れて補強する。(2)柱に鋼材を入れて補強する。(3)柱脚部にL字金物による柱脚部ズレ止めを施し、柱全体を強固に補強する工法がとられていた。