いよいよこの春、関西から山陰へ「WEST EXPRESS 銀河」が走り出す。

この春の「WEST EXPRESS 銀河」は、3~6月に週2往復運行。運行区間は京都・大阪~出雲市、夜行特急列車で走る。

島根県内の停車駅は、出雲市・松江・玉造温泉など5駅。松江城をはじめとした県内の観光スポットも朝からゆっくり楽しめるということで、島根県の鉄道トピックスや旬のグルメ、観光スポットを、チェック。

木次線の三段式スイッチバイク、奥出雲おろちループも

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まずは木次線。島根県の宍道駅から広島県の備後落合駅までを結ぶ全長81.9kmの人気ローカル線。

出雲坂根駅から三井野原駅の急斜面を通過するための仕掛け、三段式スイッチバイクを体験。

列車が進行方向を2回変えながら坂を上っていく三段式スイッチバイクは、国内でも珍しい配線。

その先には日本最大規模の二重ループ方式の道路「奥出雲おろちループ」とまっ赤な「三井野大橋」が現れ、フォトジェニックなスポットとしても人気。

亀嵩駅、出雲坂根駅、三井野原駅、下久野トンネル…みどころいっぱい

また、木次線を行くディーゼル機関車けん引 客車・トロッコ列車「奥出雲おろち号」も人気。

4月から11月下旬までの金・土・日・祝日限定で木次駅と備後落合駅の間を1日1往復運行するということで、注目スポットを。

亀嵩駅は、松本清張「砂の器」で物語のカギとなる地。駅に併設されている蕎麦屋は昭和48年創業の老舗で奥出雲の名物店。また「奥出雲おろち号」乗車客にむけて販売する「そば弁当」も人気。

出雲坂根駅は、停車時間が長いため「奥出雲おろち号」乗車客も降りることができる。

この駅では、島根県名水百選にも選ばれた「延命水」と呼ばれる湧水を汲むことができる。

冬暖かく、夏には冷たいこの水は、寿命100年をこえたと思われる古狸が好み飲用したことから命名されたと言い伝えられている。

併設している道の駅「延命の里」の売店では焼き鳥(1本120円)が人気。炭火で焼かれた鶏肉と、秘伝のたれの相性が抜群という。

また下久野トンネルは、全長2,241mの木次線最長トンネル。「奥出雲おろち号」はトンネル通過時、車内天井の“ヤマタノオロチのイルミネーション”が色を変えながら点灯する。

トンネル内での走行音が、神話に登場するヤマタノオロチの鳴き声に聞こえてくるかも!?

三井野原駅は、JR西日本の駅の中で最も標高の高い駅、727m。駅には高天原(たかまがはら)という、日本神話にまつわる愛称がつけられている。

巨大な岩がき、脂たっぷりのアジ、完熟いちご…島根の最新グルメ情報!

島根を列車で旅するときに、もうひとつ注目したいのが、グルメ。

松江いわがき(松江市)は、3~6月が旬。迫力のある大きさ、肉厚でぷりぷりの食感、濃厚でクリーミーな味わいが特徴。

そのうまさは、日本海・島根半島島根町のプランクトンとミネラルが豊富な海水で、3年から5年の年月をかけてじっくりていねいに育てているから。検査も徹底し、生食で食べても安心という。

どんちっちアジ(浜田市)は、4~8月が旬。島根県西部沖で獲れるマアジは脂ののりがよく、「アジの大トロ」とも。

「どんちっち」とは県西部の伝統芸能「石見神楽」のお囃子を表した言葉。島根県西部沖には“カラヌス”と呼ばれる体の半分以上が脂で構成されているプランクトンが生息し、これが島根県西部沖のマアジの栄養源に。

旨味たっぷりのコク深い味わいで、刺身やアジフライのほか、焼いても煮ても、どんな料理にも合うという。食堂から居酒屋、ホテル・旅館まで、島根県浜田市内の多くの店で楽しめるというから、チェックしてみて。

そして最後は、5月まで試せる、安来のいちご(安来市)

安来市は、山陰一の栽培面積を誇るいちごの産地。市内には65か所のいちご農園がある。

安来に行ったら、いちご狩りを体験したい。安来市内では5か所の農園でイチゴ狩りを楽しめる。事前に予約が必要な農園もあるのでので、早めにチェック・予約を。

そして安来産のいちごを使用したスイーツも盛り沢山。ソフトクリームやケーキ、ドーナツ、どら焼き、いちご大福、シュークリームなどなど、数え切れないほど豊富なバリエーションがあるから、途中下車して選んでみて。

なかでも、島根県オリジナル品種「おくに」は、「山陰以外には出回らないいちご」として注目されている。

糖度は14度以上。すもものようなフルーティーな香り、果実はオレンジ色も含み、なかは真っ白なのが特徴。

実が柔らかく、傷つきやすいという理由で、他のいちごより育てづらく、安来市でもわずか3軒の農家でしかつくってないため、山陰以外には流通していないレアないちごとして、いちご通が注目しているという―――。