りんかい線の新型車両「71-000形」報道公開、2025年秋デビュー

東京臨海高速鉄道は1日、八潮車両基地で新型車両「71-000形」(ななまんいっせんがた)を公開しました。
71-000形は総合車両製作所(J-TREC)の「sustina S24シリーズ」をベースとした車両です。相互直通運転を行うJR埼京線のE233系と同じ拡幅車体(ワイドボディ)で、1996年の開業当時から活躍を続けてきた「70-000形」より広い客室空間を実現しました。車内も開放感にこだわったデザインになっており、この新車導入は朝ラッシュ時の利用者などには特に喜ばれるでしょう。
ブルー・ホワイト・ターコイズグリーンの車体カラーは70₋000形から継承したもので、車両前面は「イルカの微笑み」をイメージして親しみやすさを表現しました。

側面に入れられた3本のエメラルドブルーのグラデーションは、東京湾ウォーターフロントの水辺の空間を表現したもの。新型車両の外観は「スピード感のあるシャープなデザイン」「海や都会をイメージさせる色彩」によってワクワク感を演出します。

車内デザインは落ち着きのある上質な雰囲気を感じさせつつ、明るい色合いでまとめられています。モケットはグレー基調にレインボーカラーのさし色を入れ、床はコンクリート調のグレーにお台場海浜公園のビーチをイメージした黄色のチップを混ぜ、妻壁は70₋000形の木目調をオマージュした柄に……と細かいところで「さりげないお洒落さ」を感じさせるデザインです。

安全性や快適性も向上。非常通報装置を各車両に4台搭載し、防犯カメラはドア上に千鳥配置で取り付けています。空調設備は冷房能力を従来比で約20%向上させており、最適な車内温度管理を全自動制御で行うだけでなく、各車両の両端に空気清浄機を搭載して清潔な車内環境を提供します。
71₋000形の最初の編成は2025年10月頃にデビュー予定、2027年度上期には全8編成80両を揃える計画です。置き換え対象である70₋000形については、記者陣の質問に対し「当社社員も愛着のある車両であり、1両でも多く残したい。(JR九州に限らず)様々な会社にお声がけをしているところです」と回答しました。

記事:一橋正浩
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