都営大江戸線の新しい子育て応援スペース「ぐるんぱのようちえん」=イメージ=(c)Seiichi Horiuchi

鉄道バリアフリー化の流れを受け、東海道新幹線や東北新幹線に登場して話題を集めるフリースペース設置車両。新幹線とは異なる目的でスペースを用意し、子ども連れの利用客に喜ばれているのが都営地下鉄だ。

東京都交通局は2021年9月29日と30日から、都営地下鉄大江戸線の「子育て応援スペース」設置車を各1編成運行する。2019年にデビューした設置車はこれまでの7編成と合わせ、全部で9編成に増える。

子育てファミリーは、「子どもが電車内で騒いだり泣いたりしたら、他の乗客に迷惑を掛ける」と、鉄道での外出をためらう傾向がする。そこで都交通局は、子連れ客にも気兼ねなく地下鉄を利用してもらうとともに、周囲の乗客にも理解を促そうと、子育て応援スペースを考案した。

スペース設置車は、ハード的には一般の優先席やフリースペースと同じだが、内装は子どもたちが親しむアニメや絵本をデザインして、車内空間を楽しく演出した。

2019年からの7編成は、アニメ人形劇の「きかんしゃトーマス」だったが、今回の装飾は新バージョンの「ぐるんぱのようちえん」。1965年に子ども向け月刊誌で連載が始まった作品は象のぐるんぱが主人公。いつも失敗ばかりのぐるんぱだが、つくった幼稚園に子どもたちは大喜び――。

「ぐるんぱのようちえん」の子育て支援スペース設置車には、壁の部分に絵本と同じタッチで象のぐるんぱなどを描いた。都交通局はスペースを設置した車両の運行時刻を、乗車当日に交通局ホームページで案内する。

画像:東京都交通局
記事:上里夏生