上信電鉄上信線を走る6000形電車の屋根上にカメラを設置し、走行中のパンタグラフの様子を撮影。1時間以上にわたり流し続ける……。

そんなマニアックな動画を公開したのは、群馬県の交通政策課。県のYouTubeチャンネル「tsulunos」にて2021年10月21日付で公開された。

「tsulunos」では、新型コロナウイルスの影響で打撃を受けた県内の中小私鉄を応援するため、各社の感染症対策を紹介する動画や、自宅でも気軽に車窓の風景を楽しめる「そのまんま○○線シリーズ」などを公開している。

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「鉄道の魅力に触れてもらうほか、中小私鉄では技術者の確保に苦慮している状況があり、少しでも鉄道会社への就職等を考えるきっかけになればと思っています」(群馬県交通政策課)

今回のパンタグラフ動画もそうした応援の一環といえるが、なぜ「パンタグラフ」に着目したのか? 気になって問い合わせたところ、次のような回答をいただいた。

「上信電鉄から架線の状況調査のため、動画が撮れないか打診があり、県としてもパンタグラフ・架線の動きが面白く、興味を引きそうだと考えました」(群馬県交通政策課)

架線や電気設備、線路などの状態チェックは鉄道車両の安全な運行に欠かせない。近年では検測車に備えつけたカメラで画像・映像を撮影し、画像認識AIと組み合わせて地上設備をモニタリングするといった試みも見られる。パンタグラフ動画も、ただ単に「面白そうだから」という理由で制作されたわけではなかったのだ。

今後の鉄道動画については、「昨年度実施した抗ウイルスコーティングの抗ウイルス性試験動画」や「そのまんま○○線(車輪編)」(※落下等しない安全性が確保できれば)といった内容のものを検討しているという。

画像:群馬県交通政策課
記事:鉄道チャンネル(https://tetsudo-ch.com/