「SMTS2022」で実演されたTTGの無人店舗(筆者撮影)

JR東日本グループから誕生した、スタートアップ(ベンチャー)企業「TOUCH TO GO(タッチ・トゥ・ゴー=TTG)」が流通業界の展示・商談会に相次いで出展。コンビニエンスストアを革新する、無人決済(支払い)システムの「TTG-SENSE MICRO」を情報発信して販路拡大につなげている。

TTGの無人決済システムは、天井のカメラや棚の重量センサーで来店客が手に取った商品を確認。決済には現金のほか、Suicaなどの交通系ICカード、クレジットカードが使える。2021年は、千葉市のガソリンスタンドや埼玉県川越市の郵便局など、鉄道分野以外への採用が続いた。

今回、そうした実績を買われて東芝テックとの協業がまとまり、同社が出展する「スーパーマーケット・トレードショー(SMTS)2022」(2月16~18日、幕張メッセ)、流通情報システム総合展「リテールテックJAPAN 2022」(3月1~4日、東京ビッグサイト)の2つの展示会への参加が決まった。

東芝テック社は、東芝グループの流通システム企業。POSシステムなど次世代レジを開発する過程で、無人店舗を実現したTTGとの協業の有効性を判断した。

今回が56回目になるSMTS2022では、東芝テック社ブースの一角にTTGの無人店舗を模擬設営。来場者は、購入商品を自動計算・決済できる未来型店舗を体験した。

また、TTGは東急グループの東急ストアとの協業もスタート。東急田園都市線たまプラーザ駅に直結する、複合商業施設「たまプラーザテラス」の従業員休憩室に無人店舗を開設した。今後、東急線沿線での業態開発や店舗展開の可能性を探る。

東急沿線進出の第一歩になる「たまプラーザテラス」従業員休憩室の無人店舗(画像:TOUCH TO GO)

記事:上里夏生