「この電車は、従来の半分以下の電力で走っています」

「省エネ電車 209系の消費電力は103系電車の47%」

そんな文字が客室妻面に記されている、209系。いま乗るこの京葉車両センター209系500番台ケヨ34編成も、そんな表示が残っている。

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新津車両製作所でつくられたくるまで、E233系5000番台が担う京葉線で唯一、1本だけ存在する209系。

車内にはフルカラー液晶モニタなどなく、ドット表示の電光掲示板で「次は 南船橋」「次は ミナミフナバシ」などとドット文字で表示される。

車内の灯りもE233系よりやや暗く、走りも豪快。

車端部の3席ロングシートなどに座ると、E233系にはない左右上下の揺れと、ぶううううううんというモータの唸り、VVVFの段階音、ゴツンと衝撃があるドア開閉、ふぁああああんと回るコンプレッサー音……といろいろ体感できる。

そんな京葉車両センター209系500番台ケヨ34編成も、ことしのダイヤ改正の減便などもあって、「いよいよ姿を消すんじゃないか」と噂されていた。

この209系500番台ケヨ34編成を1本だけいまも残すのは、「乗務員のハンドル訓練や操作慣れのため」という噂もある。

京葉車両センターには、京葉線のE233系のほか、武蔵野線のオレンジ帯のE231系0・900番台や209系500番台がいる。

「こうした武蔵野線で活躍する形式に慣れるべく、あえて京葉線に1本だけ209系500番台をおいておく」という説―――。

いろいろ噂がつきまとう京葉線209系500番台ケヨ34編成。いつまでも元気で、豪快に走り続けてほしい。