ただの都営地下鉄終着駅で、その先に巨大な車両基地がある駅だと思った。

駅舎も地味だし、都営地下鉄のどこにでもある駅前風景だし、鉄道好きが好むような物件も、旧車両基地跡ぐらいしかない……。

ところが! 駅そば好きが唸るような、びっくりするほど昭和ローカルな駅前そば店が、駅南口の目の前にあった!

そこは、都営浅草線の終点―――西馬込。

東京の最南端地下鉄駅で、その先に馬込車両検修場(東京都交通局馬込庁舎)がある地。

この西馬込駅南口を出て目の前にある、超ローカル駅前そば店が↓↓↓

東京都大田区にある「そば太田」。店名は、大田区の「大」ではなく、「太」。

その昭和ローカルな店構えに、吸い込まれるように入っていくと、まずびっくりするのは、小上りのカウンターが1階にあり、2階席へと続く階段がある。

入り口には地方の安いビジネスホテルを思わせる、コミックやきょうのスポーツ新聞がおいてある。スポーツ紙は、お決まりのホチキスどめ。これだけでもうわくわくドキドキ。

そして、カウンターで注文してまたびっくり!

初めて入る駅前そば屋は、かけそばと決めている。

どんなつゆの味か。天ぷらなどをつけたらわからなくなっちゃうってことで、まずはかけそば(320円)を食券販売機でガチャン。

カウンターに食券を持っていくと、意外なひとことが返ってきた。

「つゆは関東風にしますか、関西風にしますか?」

ひえーっ! そんなのあんの? まさかの、東京 地下鉄最南端駅で、関西風のそばが食えるとは!

つゆはしっかりと関西風。ホワイトボードにあるとおり「うすくちしょうゆだし」。

割り箸には包み紙。これもどこか昭和ローカル。そして自家製の揚げ玉が添えてある。

関西風の1杯を2階へもっていくと↓↓↓

この2階席がまたいい!

国道1号 第二京浜を行くクルマたちや、浅草線 西馬込駅 南口駅舎をながめながら、つるつるっとやれる。

さらにびっくり。ビールや酒のあてもいろいろある!

じゃこ天にたこ唐揚げ、砂肝塩焼き、かつとじ、にんにくしょうゆ漬……うわーっ、どれもめっちゃ試したい!

―――馬込車両検修場をみに行くときだけの駅だった西馬込。こんどは、ここで一杯飲みながら、昭和スローな時間を過ごしてみたい。

◆4重立体交差という“隠れた構造美”がここにあり、東海道新幹線でふだんスルーしてしまう鉄道橋にひそむ物語
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