※2023年5月撮影

トップ画像は、明治通りの反対側から花園神社。

花園神社さんのサイトから神社の歴史などを簡単に書いておきます。

花園神社は、江戸幕府開府以前から近隣の総鎮守でした。寛永頃(1624~1644年)は現在の伊勢丹デパート付近にありました。付近が旗本に拝領されたため参拝のできなくなった氏子らが幕府に訴え、幕府から徳川御三家尾張藩下屋敷の庭の一部が神社に拝領され、現在の場所に遷りました。多くの花が咲く花園の跡であったことから花園神社と呼ばれたのが社名の由来とされています。

ところで「新宿」という名称がこのエリアの固有名となって定着するのは元禄時代です。

慶長9年(1604年)江戸幕府が五街道を整備。当初甲州街道の最初の宿場は高井戸でした。しかし起点の日本橋から約4里(約16km)と遠かったために、元禄12年(1699年)新たに日本橋から2里弱の成木街道(青梅街道)との分岐点に新たな宿場が設けられました。

その場所には信濃国高遠藩内藤家の屋敷などがありました。内藤家の屋敷前にできた新しい宿場だったので内藤新宿と呼ばれる様になったのです。花園神社はこの内藤新宿の鎮守となります。

むしろ筆者の世代には花園神社と言えば、唐十郎さんの「状況劇場(紅テント)」の公演が行われていた「ちょっと不思議な前衛演劇の神社」でした。

筆者が参拝した日は参道にお店が並んでいました。子供の頃、楽しみにしていた「お祭り」の雰囲気です。

※2023年5月撮影

参拝の方々も楽しんでいます。

※2023年5月撮影

拝殿におまいりします。

※2023年5月撮影

その前に手水舎で手と口を浄めます。

※2023年5月撮影

御祭神、農業の神様でお稲荷さんの倉稲魂命(うかのみたまのかみ)、勝負運・出世開運の神様 日本武尊(やまとたけるのみこと)、食べ物の神様 受持神(うけもちのかみ)の三柱にご挨拶します。

※2023年5月撮影

花園神社の歴史を神社のサイト「起源と歴史」からもう少し引用させていただきます。

「初めて史料に花園神社の名が登場するのは、享和3年(1803)のこと。大火に遭った社殿復興を願って内藤新宿町より奉納された額面に「花園社」と記されていました。「花園」という名称が正式なものになるのはずっと後代のことで、稲荷神社または三光院稲荷とも呼ばれ、さらに江戸時代には地名にちなんで四谷追分稲荷とも呼ばれていたようです。

三光院稲荷と呼ばれたのは、明治維新以前には神仏習合により神社と仏教寺院が同時に祀られることが多く、花園神社も真義真言宗豊山派愛染院の別院である三光院が合祀され、住職が別当(管理職)を兼ねる慣わしだったためであるといわれています。

しかし、その三光院は明治元年(1868)3月に維新政府が祭政一致の方針に基づき神仏分離令を発布し、廃仏毀釈が進む中で花園神社と分離され、本尊は愛染院に納めて廃絶となりました。」

その三光院の文化十年(1813年)と刻まれた水盤が社務所の奥にあります。

※2023年5月撮影

拝殿の前に赤い鳥居が列ぶ威徳稲荷神社があります。こちらも戦災で資料が焼けてしまったことで詳しい歴史は不明です。

※2023年5月撮影

威徳稲荷神社にもおまいりします。

※2023年6月撮影

境内の芸能浅間神社にもおまいりします。御祭神は木花之佐久夜毘売(コノハナノサクヤヒメ)。江戸の昔から芝居や舞踊の興行に縁が深かったため、演劇や歌曲など芸能関係の奉納が多いことで有名です。

※2023年6月撮影

宇多田ヒカルさんのお母さんと言う方が若い方には分かり易いかもしれません。藤圭子さんの歌碑も、芸能浅間神社の隣に建っています。

※2023年6月撮影

この空間に様々な演劇のテントなどが設けられます。

※2023年5月撮影

花園神社のサイトには「戦後、甲州街道と青梅街道が交差する開かれた街「新宿」は、雑多なエネルギーに満ちた新しい文化の発信地になりました。唐十郎のテント芝居が行われるなど花園神社は、そうした文化を育む役割も担ってきたのです。芸能の起源が神事であるように、花園神社と新宿の文化もまた、密接に結びついているのです。」と記されています。

次回は、新宿区有形文化財の花園神社唐獅子像を見に行きます。

(写真・文/住田至朗)

※駅構内などは京王電鉄さんの許可をいただいて撮影しています。

※鉄道撮影は鉄道会社と利用者・関係者等のご厚意で撮らせていただいているものです。ありがとうございます。

※参照資料

・『京王ハンドブック2022』(京王電鉄株式会社広報部/2022)

  • ・京王グループホームページ「京王電鉄50年史」他

下記の2冊は主に古い写真など「時代の空気感」を参考にいたしました

・『京王電鉄昭和~平成の記録』(辻良樹/アルファベータブックス/2023)

・『京王線 井の頭線 街と駅の1世紀』(矢嶋秀一/アルファベータブックス/2016)