※2020年10月撮影

トップ画像は、これまで【駅ぶら】で桜と新緑の井の頭公園池をご覧いただいたので、紅葉の写真を1枚。

井の頭公園池の脇に立つ東京都西部公園緑地事務所による「井の頭池 自然再生のとりくみ」のパネルです。

※2024年4月撮影

“かいぼり(掻い掘り)”の方法が記載されています。

※2024年4月撮影

その内容

① 池の水を抜く

② 生き物を捕る

③ 生き物を「在来種」と「外来種」に仕分ける

④ 池底を干す

⑤ 水を入れる

⑥ 「在来種」を戻す

その結果 捕食者となる「外来魚」が激減し、ギンブナ、スジエビなどの「在来種」が回復。

これらの「在来種」を食べるカイツブリなどが繁殖、生物連鎖が回復。

また、池の透明度が向上し、光が届く様になって水草が生育できるようになりました。

絶滅したと考えられていた在来のイノカシラフラスコモが約60年ぶりに復活。

水草を食べ水を濁らせるコイやソウギョを駆除したことも功をを奏しています。

では筆者が、2014年(平成26年)1月に実際に見た“かいぼり”の様子をご覧ください。

ボート池の水が抜かれ、七井橋が宙に浮いている様です。池の底を干していますがなかなか乾きません。

※2014年1月撮影

お茶の水池の西端から七井端。ふだんの冬の日に比べてお客さんが多いのは、テレビニュースなどで井の頭公園池の“かいぼり”が報道されたからです。

※2014年1月撮影

これはボート池の東端で生物を捕獲するボランティアさんたち。

※2014年1月撮影

そのアップ。1月の寒い日でしたが幸い陽射しがありました。

※2014年1月撮影

捕獲された生物を見ることもできました。在来種のニホンウナギです。

※2014年1月撮影

・・・ということは、太平洋から隅田川、神田川を遡上してきたウナギでしょうか。スゴイです。

ここにその時の記事があります。記事に拠れば、25種18206匹の魚類が捕獲され、駆除対象魚は14047匹(77.2%)でした。

最も多かったブルーギル(捕獲数12650匹69.5%)も見ました。ブルーギルは1960年代にアメリカから移入された北米の淡水魚。折からのバス釣りブームで様々な淡水域に放流され、現在の深刻な事態をまねいています。現在、霞ヶ浦、琵琶湖、皇居外苑濠などでも駆除が進められています。

七井橋と奥に井の頭自然文化園のゲートが見えます。お茶の水池の底にはプラスティックのゴミや、捨てられた自転車がありました。

※2014年1月撮影

回収されたゴミの山はすごかったのですが、写真は撮っていません。

最後に、意味はありませんが、井の頭公園池の西側から「吉祥寺駅」に戻る時によく見ていた景色です。10年以上前に廃業、解体されて現在はマンションになっています。

※2003年1月撮影

ボート池の北側に旅荘井ノ上という小さな“逆さクラゲ”(温泉マークがクラゲを引っ繰り返した様なので)つまり連れ込み宿がありました。現存しませんが、筆者の高校時代、体育祭の盆踊りの浴衣に、この「旅荘井ノ上」の浴衣を着るのがアホな仲間内で流行りました。「井ノ上」では気の良いお婆ちゃんが出てきてお茶を煎れてくれました。休憩なのに宿帳に記入させられました。(笑)

次回は、池の西端から吉祥寺駅の方に歩きます。

(写真・文/住田至朗)

※駅構内などは京王電鉄さんの許可をいただいて撮影しています。

※鉄道撮影は鉄道会社と利用者・関係者等のご厚意で撮らせていただいているものです。ありがとうございます。

※参照資料

・『京王ハンドブック2022』(京王電鉄株式会社広報部/2022)

・京王グループホームページ「京王電鉄50年史」他

下記の2冊は主に古い写真など「時代の空気感」を参考にいたしました

・『京王電鉄昭和~平成の記録』(辻良樹/アルファベータブックス/2023)

・『京王線 井の頭線 街と駅の1世紀』(矢嶋秀一/アルファベータブックス/2016)