日立製作所の鉄道事業を手掛ける日立レールは、米半導体大手NVIDIA(エヌビディア)と提携して、AIを活用した新しいソリューション「HMAX(エイチマックス/Hyper Mobility Asset Expert)」を発表しました。

日立製の鉄道車両 写真:日立製作所

AIを活用して鉄道の運用・保守を最適化

日立レールが鉄道事業者向けに提供する「HMAX」は、鉄道の運用や保守を最適化するため設備や機器の状態をデジタル技術で管理するシステムで、列車・信号・インフラの管理を効率化するために、AI技術を活用しています。日立の既存のデジタルツールに、NVIDIAのAI技術を組み合わせ、リアルタイムでのデータ収集と分析を強化します。

これにより、鉄道事業者は列車やインフラの状況をより正確に把握し、メンテナンスや運行を最適化できるようになります。従来はデータの処理に数日かかっていたものが、HMAXを使うことで即座に分析結果を得られるようになるため、運用のスピードと精度が大幅に向上します。鉄道事業者は、リモートでこれらのデータにアクセスできるため、運用センターなどから一元的に管理が可能で、鉄道の安全性や信頼性、効率が大幅に改善されることが期待されています。

「HMAX」のイメージ 画像:日立製作所

日立レールのCEOであるジュゼッペ・マリノ氏は、「AIは鉄道を効率的に運行するために、大きな影響を与える技術だと考えています。NVIDIAとの協業によるAIの力と、日立レールの技術を組み合わせて、鉄道事業者のパフォーマンス向上を支援します」と今回の技術革新を強調しています。
また、NVIDIAのヨゲシュ・アグラワル氏は「鉄道は、AIによるデジタル変革の最前線に立っています。日立レールのHMAXは、鉄道の運用性、安全性、信頼性を向上させ、事業者と利用者のニーズに応えます。」と述べています。

鉄道業界にAIの力を導入することで、現場の作業者やエンジニアにも大きなメリットをもたらす革新的なソリューションになることが期待されます。

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