2023年夏、ハワイに新しく開業した鉄道路線が「スカイライン」(Skyline)です。前回まで3回にわたり乗車レポートをしてきました。
前の記事:ハワイの鉄道で車窓を楽しむ新しい旅【乗車レポート3】 オアフ島の新鉄道「スカイライン」 アロハスタジアム~の景色 ( Hawaii )

今回が4回目、この乗車で最後のレポートです。東側の端のアロハスタジアム駅から、西端の東カポレイ駅に向けてレポートを進めていますが、今回は6.ハラウラニ(リーワード・コミュニティカレッジ)駅からの続きになります。

日立がシステムを納入 スカイラインのオペレーションセンター

6.ハラウラニ(リーワード・コミュニティカレッジ)駅には、その名の通りリーワードコミュニティカレッジという学校があります。その他に、往路でも紹介をしましたが、このハワイの鉄道「スカイライン」のレールオペレーションセンター(Skyline Rail Operations Center)最寄り駅がこの駅になります。

6.ハラウラニ(リーワード・コミュニティカレッジ)駅のホームの様子

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ハワイの鉄道「スカイライン」は、現在4両編成の列車が10分間隔で各駅に到着するように完全自動運転システムで運行をしているのですが、その運行を管理するオペレーションセンターは、この駅の近くに設置されています。このスカイラインの全ての車両や運行システム全般は、日立製作所の関連会社である日立レールが、納入をしているものになります。米国初の完全自動運転都市鉄道システムということもあり、米国内はもちろん世界中から注目を集めています。日立にとって、今後他の国へ鉄道システムを売り込むためにも、安全を証明するためにも、ここが重要な拠点となっているといって良いでしょう。
スカイラインの車両基地もこの敷地内あり、いくつもの車両がこの敷地内に留まっており、車両の保守点検作業などが行われている施設も見えます。

たくさんの車両が並んでいる様子が見えます

アメリカ海軍の軍艦も見えます

6.ハラウラニ(リーワード・コミュニティカレッジ)駅を過ぎると列車は南西方向に走行していきます。左側の車窓からは、アメリカ海軍の基地に停泊している船の様子も見えてきます。

遠くにはアメリカ海軍の船が見えます

今は、6.ハラウラニ(リーワード・コミュニティカレッジ)駅と5.ポウハレ(ワイパフトランジットセンター)駅の間になります。駅名前の番号は、西側・左側の駅から順番に1~9で表しています。

スカイライン路線図 ©The City and County of Honolulu

5.ポウハレ(ワイパフトランジットセンター)駅の手前まで来ると、右側の車窓からはショッピングモールや、ファストフード店などが見えてきます。トランジットセンターでは、市バスに乗り換えて、いくつかの方面に向かう事ができます。

駅に近くには、多くのお店があるのがわかります

ハワイ王国の砂糖産業と日系移民 ワイパフ

5.ポウハレ(ワイパフトランジットセンター)駅のあるワイパフには、ハワイ王国の後期に隆盛を極めた砂糖産業に関する施設が多く残っています。好調だった砂糖農園での労働力が必要だったために、海外からも多くの移民を受け入れ、多くの日本人がハワイに渡り(1885年~1895年にかけて29,000人以上)、このワイパフを生活拠点として移住をしました。「ハワイプランテーションビレッジ」は、当時農園に入植した移民の家々やその生活を垣間見ることの出来る施設になっています。
また、かつての砂糖工場跡も、現在はYMCAの施設として残されています。日本のお寺であるワイパフ本願寺も、ここワイパフにあります。

ワイパフの街の中心にある長い煙突の建物が、かつての砂糖工場跡です

5.ポウハレ(ワイパフトランジットセンター)駅の次は、4.ホオアエアエ(ウエストロック)駅になります。この駅に到着する手前の右側の車窓からは、日本でもお馴染みの大型ディスカウントストアであるドン・キホーテが見えてきます。このドン・キホーテワイパフ店は、1995年にダイエーとしてオープンし、2006年にドン・キホーテとなり、長年地元の人たちに親しまれてきました。しかし、このドン・キホーテは、2024年に駅前の再開発が行われるために閉店になってしまうという話が聞こえてきており、さびしい気持ちでいる方も多いでしょう。

4.ホオアエアエ(ウエストロック)駅の近くにあるドン・キホーテ ワイパフ店

西側区間では、ハワイの田舎の風景をのんびりと楽しめます

4.ホオアエアエ(ウエストロック)駅を列車が出てからは、あまり建物が無いのどかな田舎の風景に変わります。

まだ開発されていない土地が続きます

横の窓からの景色も、田舎の建物や農園の景色に変わってきました。

横からの車窓です

ハワイらしい田舎風景の中を、鉄道の高架が続いている様子が分かります。

高架がずっと続いています

対面から来る列車とのすれ違も、一番前で見ると迫力があります。

前面からすれ違いの様子を観察

3. ホノウリウリ(ホオオピリ)駅の手前の、列車の左車窓からの景色では、畑が続きそのかなり遠くに住宅の姿が見えています。

畑が続いています

3. ホノウリウリ(ホオオピリ)駅に到着です

ホームドアが整備されていて、無人でも安全に駅に到着です

西に向けての復路の旅も、残すところあと2駅です。

畑と住宅という風景

いよいよ残りもあと1駅に。2.ケオネアイ(UHウェストオアフ)駅のホームを出たたところでは、左側に低層の集合住宅街が広がっています。

2. ケオネアイ(UHウェストオアフ)駅付近からの景色、虹も見えています

遠くには「ダイヤモンドヘッド」も見えます

1.クアラカイ(東カポレイ)駅手前の、最後の走行区間では、進行方向左の窓からは遠くにダイヤモンドヘッドを見ることができました。

遠くにダイヤモンドヘッド、ワイキキ方面が見えます。

車窓からの景色には、大きな建物などは表われ無いままに、最後の駅、1.クアラカイ(東カポレイ)駅が近づいてきます。この辺りはこれから開発が進む地域のようです。この列車の乗客数次第では、日本のように駅の近くにいろいろな商業施設などが建つようになるのかもしれません。

このあたりで見えるのは畑や草原です

1.クアラカイ(東カポレイ)駅に到着してさらに南西の方向を見ても、こちら側には今のところ、線路は続いてはいません。この道路の先には、大型ショッピングセンターの「カ・マカナ・アリイ(Ka Makana Ali’i)」があります。

西端の駅、東カポレイからの景色です

1.クアラカイ(東カポレイ)駅には、今のところは駐車場やバスターミナル設備はありませんので、その辺りはご注意ください。車利用であれば、「カ・マカナ・アリイ(Ka Makana Ali’i)」まで歩くか、隣の2.ケオネアイ(UHウェストオアフ)駅の駐車場を使うのが良いかと思います。

観光客にもおすすめ ハワイの鉄道乗車

車があれば、このあたりからは、ディズニー・アウラニやマリオット、フォーシーズンスなどいくつかのリゾートホテルが立ち並ぶエリアである コオリナ地区 へも10分程度で行くことができます。コオリナのビーチやラグーンで休憩をしたり、ホテルのレストランなどで食事をしたり、パラダイス・コーブという場所の有名なルアウショーを鑑賞したりするのも良いかもしれません。コオリナのビーチ沿いからは、西側の海に沈むきれいな夕日が見られますので、そちらもお勧めです。

晴天率が高いコオリナ地区では、ラグーンに沈む夕日がほとんどの日に見られます

ここまで、4回に分けて、ハワイのオアフ島に出来た、新鉄道「スカイライン」を往復乗車してレポートをしてきました。海や山、遠くのダイヤモンドヘッドなど、ハワイの島の魅力を列車に乗りながら感じることができる乗り物でした。日本からの観光客にとっては、現段階でまだ空港近くの駅が開業している訳ではないので、移動のための手段というよりは、景色が良くてハワイを感じられる観光列車として、乗車体験をするのにはもってこいのものだと思いました。お子様やシニアの方でも一緒に楽しめるので、ファミリー旅にも適していますよ。

皆さんも、ハワイに行った際にお時間があれば、ぜひハワイに出来た新鉄道の乗車体験をしてみてください。

(写真・記事: 鎌田啓吾 /鉄道チャンネル)

最初から見るには:ハワイ オアフ島 に2023年夏に開業した新しい鉄道「スカイライン」 Skyline に乗ってきたよ【乗車レポート1】 観光客にもおすすめ!

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