どこか日本の鉄道車両にも似た印象を受けるスコットレールのクラス385(写真:日立製作所)

海外に撮り鉄はいるのか、いないのか。それはともかく、鉄道ファンなら思わず見入ってしまう、虹と列車がモチーフのワンシーン。撮影地はスコットランドで、イギリス(グレートブリテン島)の北3分の1を占める。

情報の発信元は、海外鉄道事業に力を入れる日立製作所。「日立レール、英国スコットランド向け鉄道車両のメンテナンス契約を更新」のニュースに、このカットが添えられていた。

車両は「クラス385」(385形電車)。イタリアに本社を置く日立レールが近郊輸送の標準タイプと位置付ける主力車両で、2015年にスコットランドの鉄道会社・スコットレールとの間で、234両の納入と10年間の車両メンテナンス契約を締結した。2018年からは実際に運行を始めた。

今回は10年間の契約期間を終えて、日立レールとスコットレールは7年間の契約延長で合意した。

延長の背景には、日立の車両技術に対する高い信頼性がある。クラス385はスコットランドの首都・エジンバラと港湾都市・グラスゴーなどの間を結び、2024年度の利用客は延べ約750万人。2023年度に比べ5%増えた。

スコットレールは、クラス385の環境性能も高評価する。以前のディーゼル列車(気動車)と比較して、二酸化炭素(CO2)排出量を82%カット。年間約2500トン削減した。

更新された契約で、日立は引き続きスコットレールに投資して、鉄道近代化や人材育成に努めることを約束した。

契約更新に当たり、日立レールのアンガス・トム、シニアディレクター(イギリス&アイルランド担当)は「当社は『チームスコットランド』の一員として、デジタル技術などで未来の鉄道を追求していく」とコメントした。

記事:上里夏生

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