新型車両71-000形外観イメージ(画像:TWR)

東京臨海高速鉄道(Tokyo Waterfront Area Rapid Transit、TWR)は2023年11月6日、新型車両「71-000形(ななまんいっせんがた)」を導入すると発表しました。

1996年3月の第一期事業区間(新木場~東京テレポート)開業以来28年間走り続けてきた「70-000形(ななまんがた)」車両に代わる新型車両として、最初の1編成は2025年度下期に営業運転を開始。2027年度上期中には全8編成80両を導入予定です。

TWRによりますと、新型車両のベースはJ-TRECの「sustina S24シリーズ」。JR東日本のE235系や東急2020系などに採用されていますが、「71-000形」が一番近いのは「相鉄線の12000系」とのこと。外観や内装についても発表がありましたので、詳しく見て行きましょう。

外観は「70-000形」を継承

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外観は現行車両の「70-000形」を意識させるデザインとなっており、おおらかな海のイメージや優しさを感じる形状でりんかい線らしさを醸し出します。

「丸みのある面影を継承しながら、海や波のおおらかさを取り入れ、前面上部のひさし形状で横方向への広がりを強調しました」

「前面のカラーリングは『70-000形』を継承し、臨海副都心を訪れる皆様に、より親しみを感じていただ けるよう『優しい微笑み』をイメージしました」

「側面のカラーリングは、ホームドアの高さを考慮して車両腰部から上部にかけて配置し、エメラルドブルーのグラデーションで東京湾ウォーターフロントの水辺の空間を表現しています」

白を基調としたスタイリッシュな内装

新型車両71-000形内装イメージ(画像:TWR)

新型車両の内装は、木目柄の妻部化粧板など「70-000形」の面影を残しながら、ホワイトを基調にグレーやネイビーでまとめられています。

TWRによりますと、「臨海副都心の洗練された都市景観」をイメージしたもの。座席はグレー・ブルー基調のブロック柄として「都会的でクールな雰囲気」を表現し、優先席はピンクを基調に落ち着いた印象を持たせています。

安全性・セキュリティ面も向上

新型車両では安全性向上のための工夫として先頭車両の前面に衝撃吸収材を設置するとともに、車両構体の剛性を高めることで衝撃時の安全性を向上させています。

車両の各機器を制御する列車情報管理装置のシステムや主要電機機器の二重系化により、故障時などに機能全体が停止することを回避することで輸送の安定性も向上。また全車両に防犯カメラを設置、客室内に1車両あたり4台の通話式非常通報装置を設置したことでセキュリティも強化されています。

バリアフリー面では床面の高さを50mm下げ、ホームとの段差を低減したほか、すべての車両にフリースペースを設置。車いすやベビーカー利用者にも使いやすい車両となります。ほかにも荷棚や吊り手の高さの調整や、ドアの開閉を知らせる表示灯・誘導鈴の設置などが行われます。

車内快適性の向上

新型車両は車体幅を150mm拡大した拡幅車体。混雑時の圧迫感を緩和し、快適性を向上させたほか、座席幅も一人あたり10mm拡大。袖仕切りは大型のものを採用し、ガラスを使用することで開放感を高めます。

照明は柔らかな明かりのものを採用し、閉塞感の低減を図るほか、ドア上部に2画面の液晶ディスプレイを設置し案内の充実を図ります。冷房能力は現行の「70-000形」と比較して約20%向上。カビや花粉、菌、ニオイなどに抑制効果がある機器を全ての車両に搭載し、快適性の向上を図ります。

現行の「70-000形」については、「他事業者への譲渡も含めたリユースの方法を検討しています」(TWR)とのことで、今後発表される見込みです。