東海道線 茨木駅前の大学キャンパスに通いながら、オーストラリア国立大学の学位が取得できる時代へ――。オーストラリアの首都キャンベラに拠点を置くオーストラリア国立大学と立命館大学は、卒業時に両大学からそれぞれ学位を取得できるデュアル・ディグリー(学部共同学位)に係る協定を締結した。

立命館大学側は、東海道線 茨木駅を最寄りとする大阪いばらきキャンパスに、グローバル教養学部を2019年4月に開設予定。同学部とオーストラリア国立大学のCoral Bell School of Asia Pacific Affairsとの間で学部共同学位取得を実施する。

国内初の画期的な取り組み

10月2日に行われた締結式では、立命館大学 吉田美喜夫学長、オーストラリア国立大学ブライアン・シュミット学長、外務省 鈴木庸一特命全権大使(関西担当)、デイビッド・ローソンオーストラリア総領事らが登壇。

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立命館大学 吉田学長は、「グローバル教養学部は、学部全体で海外大学との連携による学部共同学位プログラムを組み込んだ学士課程。学位取得をめざす国内初の画期的な取り組み。同学部では、これまでとはまったく異なる次元で、世界水準の教育プログラムを展開する」と伝えた。

2年後に開設されるグローバル教養学部は、修業年限4年、入学定員100人を予定。その内訳は、立命館大学側での学修が日本人30人・国際学生60人、オーストラリア国立大学側での学修が10人。入学時期は4月と9月。授業料は年間230万円。出願要件はTOEFL PBT 570/TOEFL iBT 80/IELTS 6.5。

背景に戦略的パートナーシップ共同声明

この締結の背景には、2014年に安倍総理と豪アボット首相が発表し共同声明「21世紀のための特別な戦略的パートナーシップ」などが関わる。オーストラリア国立大学シュミット学長は、「調印式で安倍首相が伝えていたとおり、この締結によってさらに両国のきずなが強まるだろう。オーストラリア国立大学卒業生のうち、500人が日本の企業などでリーダーシップを発揮している。産官学で連携しながら、次世代のリーダーをさらに創出していきたい」と語った。

記者との質疑応答で立命館大学は、「これまでの海外の大学間での交流は、留学制度にのっかるかたちだった。これからは、独自プログラムをつくりあげてそこで学ぶというスタイルが大事。こういう点でも、今回の学部共同学位協定締結は画期的。学ぶ人たちのために、新しいものをつくりあげて、そこで学んでもらう。それが魅力」とも伝えていた。

[関連リンク]オーストラリア国立大学(ANU)とデュアル・ディグリープログラムに係る協定を締結