JR西日本は10月18日、車両状態監視装置を2018年春以降、順次導入していくと伝えた。同装置は、架線上などにチェック機能を設ける地上設備で、屋根上監視機能・パンタグラフすり板摩耗測定機能・車輪踏面形状測定機能・車輪フラット検知機能といった4つの機能で監視する。

同社では現在、架線やパンタグラフ、車輪などの状態について、係員が一定期間ごとに実施する検査のなかで、測定器や目視・触手により確認している。

この車両状態監視装置は、「高解像度カメラやセンシング技術を用いることで、電車が装置の設置区間を通過するさいに、自動で測定、記録、判定を行うことができる」という。同装置の屋根上まわり、車輪まわりの仕組みについて同社は次のように伝えている。

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◆屋根上まわり

線路付近に設置する門柱に設置した測定センサ、高解像度カメラなどにより構成され、屋根上の状態の動画記録、パンタグラフすり板の寸法測定、測定結果の自動判定機能を持たせる。

現在は、おもに1列車に対し、10日以内に1回行う仕業検査において係員が車両の屋根上に上がり、目視や測定器で実施。

今回、同装置の導入で、係員が、撮影した動画記録・測定結果を地上側で確認できるようになる。これにより、屋根上での作業の削減ができ、作業の安全性が向上する。

◆車輪まわり

線路付近に設置するセンサ、制御装置などにて構成され、車輪踏面の各部寸法を自動測定し、測定結果を自動判定できる。

また、フラット検知については、振動センサによる振動レベルにより傷の大きさを自動判定する機能を持たせている。

現在は、90日以内に1回実施する交番検査において、係員が車両床下で目視や測定器などを用い確認を実施。

今回、同装置の導入で、検査の自動化が可能に。これにより、これまで各部測定作業は2人で1編成8両あたり20分程の作業時間がかかっていたものを、装置内を列車が通過する1分程で測定できるようになる。効率的に車両状態を把握することができる。

―――同社は、このシステム導入によって「電車が、配置箇所に入るたびに状態監視でき、車両品質の向上、乗り心地の改善につながる」とも伝えている。