東急目黒線は、2000年(平成12年)東急目蒲線から目黒駅〜田園調布駅間を分離したものです。多摩川駅〜蒲田駅間は「東急多摩川線」になりました。この年からワンマン運転開始。運行系統的には直通する東横線田園調布駅〜武蔵小杉駅間と共に目黒線と呼ばれています。同年多摩川園駅が多摩川駅に改称。

旧多摩川園駅には、1925年(大正14年)に「温泉遊園地多摩川園」としてオープンした多摩川園がありました。1989年(平成元年)に施設老朽化などで閉鎖された田園コロシアムにまで広がる広大な敷地を誇りました。東京オリンピックの開かれた1964年(昭和39年)には入場者100万人を越えていました。しかし時代の変遷によって1979年(昭和54年)に閉園したことで、その後の駅名改称に至ったワケです。

田園コロシアムで1977年(昭和52年)から1981年(昭和56年)まで開催された”ライブアンダーザスカイ”でのハービー・ハンコックVSOPのライブ盤(1977年/1979年)は世界中のジャズファンにとっては、今も貴重な演奏記録です。

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同様のことが新玉川線が田園都市線になった際にも起きました。二子玉川園駅が二子玉川駅に改称されています。ユーミンの”かんらん車”が歌っているのは、こちらの二子玉川園(1985年/昭和60年閉園)。こちらが玉川なのは、駅が作られた明治40年頃の所在地名が荏原郡玉川村だったからです。

東急目黒線は、目蒲線から分離された2000年(平成12年)に東京メトロ(当時は営団地下鉄)南北線、都営地下鉄三田線との相互直通運転を始めました。2006年(平成18年)には不動前駅〜洗足駅間の連続立体交差事業で武蔵小山駅と西小山駅が地下化。この2006年に急行運転が始まります。

2008年(平成20年)には、目黒線は武蔵小杉駅から日吉間まで延長されました。

目黒線が相互直通運転や日吉駅延長などで乗客が増加し、混雑を緩和するために東急は2022年度から、現行の6両編成を8両編成に順次変更します。この秋から投入予定の新型3020系3編成も当初は6両ですが、2022年度上期から8両編成に変更されます。新型3020系は、田園都市線の2020系や大井町線の6020系と同様に車内に空気清浄機が設置され、座席も背もたれの高いハイバック仕様になります

目黒線の8両編成化は、東急新横浜線の開業する2022年度内に新型3020系を含めた全26編成が完了予定です。

目黒線の8両編成化に伴い追加される2両分のホームドアについて、8両編成車両の運行開始までに全13駅で整備を行い、ホーム上の安全対策を実施します。

目蒲線時代からの歴史を振り返ると、東急電車の変遷を味わい深く感じてしまいます。