※2019年7月撮影

開発駅から2.2kmで月岡駅。周囲は広々と農地が広がっていて超気持ち良いです。この風景を活かしたのが映画”RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ”のラストシーンでした。

主人公の運転する電車から妻の余貴美子さんが月岡駅のホームに降りたちます。主人公の三浦友和さんは運転席の窓から白い手袋の手だけを出して軽く振り、前を向いたまま電車を発進させます。

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ここからラストシーン。出発して行く電車をカメラは俯瞰(ふかん=見下ろす映像)で長時間撮ります。遠くには雪を抱く立山連峰が広がり、真っ直ぐのびる線路をゆっくり遠ざかってゆく富山地方鉄道14760形電車。

いったいどうやって撮ったんでしょうね? 空撮では無いかなぁ。何故なら映像が揺れていません、カメラは固定されています。クレーンでもあの高さだと揺れますよ~。考えてみれば、空撮でも専用の揺れないマウントにカメラを載せれば、あの素晴らしいカットが撮れますね。

その映像にユーミンの歌がかぶってきてエンドロールが始まります。何度観ても素晴らしいラストシーンです。その時の駅舎は(屋根しか写っていませんが)内外装をキレイに改修する前の古い木造駅舎でした。その上、手前のパーク&ライド駐車場を上手く画面から外しています。

2018年(平成30年)1月に、こんなにキレイな駅舎に改修されています。でも切妻のベンチレーターのデザインは変わっていません。

※2019年7月撮影

駅舎の内装も真新しくてキレイです。

※2019年7月撮影

駅舎から島式ホームへの出入口。構内踏切を渡ってホームの階段を上がります。

※2019年7月撮影

階段の下から立山連邦の見える岩峅寺方面。ホームの待合室が意外にスリムです。

※2019年7月撮影

ホームと駅名標。こちらは南富山方面。晴れているのに水たまりがあるのは通り雨が降ったからです。

※2019年7月撮影

反対の岩峅寺方面。空は晴れていますが、月岡駅の上には雲が出て来ました。

※2019年7月撮影

でもまた陽射し。待合室の中です。何度も繰り返していますが、この木枠の窓と戸がとても貴重なんです。奥はサッシに換えられています。待合室がオリジナルか否かは不明ですが、この駅は、1921年(大正10年)に富山県営鉄道が開業した歴史の長い駅なんです。

※2019年7月撮影

岩峅寺方面。立山方面の山々に雲がわいてきました。地図で見る限り、次の大庄駅までレールは真っ直ぐ敷かれています。

※2019年7月撮影

ホームから駅舎。でも屋根を瓦で葺いてあって、シンプルな建物ですが個人的にすごく好感を感じます。こーいう場所に、こーいう家を建てて縁側に坐ってノンビリ暮らせたら良いなぁ、と思っちゃいますよ。ここの澄んだ空気を呼吸していたら。

関係ないですけど、駅舎右奥の奇妙な形の木は、いったい何でしょう?

※2019年7月撮影

オマケです。富山地方鉄道さんからお借りした改修前の駅舎の写真。ディメンションが全く同じです。

※提供:富山地方鉄道

何と言うか、”RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ”のラストシーンに登場しなかったら、ここまで月岡駅を丁寧に見なかったと思います。鉄道ファンにとって、珠玉のカットに満ちた映画です。富山地方鉄道山さんにとっても宝物ですね。

(写真・記事/住田至朗)