笠上黒生駅から500mで西海鹿島駅。単式ホームに待合室の簡素な駅です。

まず海鹿(アシカ)という漢字を初めて知りました。それに水族館のアシカショーなどでアシカという生物を認識していましたが、あれは全てカリフォルニアアシカなのだということ。かつてニホンアシカが日本近海に生息していたことも知りませんでした。ニホンアシカは明治・大正期に乱獲された結果、20世紀には絶滅してしまいました。絶滅するまで捕って、油を絞った後の肉は肥料にしていたそうです。お隣の韓国では食用だったとか。

犬吠埼もかつてはニホンアシカの繁殖地だったのです。明治時代には200~300頭のニホンアシカが棲んでいました。そもそも犬吠の「犬」はアシカを指すのだそうです。ニホンアシカの鳴き声が犬に似ていたからだという説がありますが、絶滅してしまったので調べることができません。悲しいですね。そして海鹿島駅にもニホンアシカの痕跡が残っています。

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駅の銚子側踏切から西海鹿島駅全体を撮っています。手前のスロープとコンクリートの新しい部分は2009年(平成21年)に導入された銚子電鉄2000形電車の2両編成に対応してホームが延長されています。バニシングポイントの線路の先には外川駅があります。

スロープを上がってホーム。何だか不思議な構造です。ホームが延長された部分の先は車両側だけが段差であがっています。

ホーム上の待合室。ホームに段差があるので雨が流れ込みそうですが、もちろん大丈夫でした。

待合室の反対側、外川側のホーム先端まで行って銚子方面を振り返っています。

駅名標。1970年(昭和45年)に開業した銚子電鉄では一番新しい駅。千葉県と銚子市が80万円の補助金を出して、それに周辺住民が10万円を出して駅を作ったという記録があるそうです。でも隣の海鹿島駅とは400mしか離れていません。

待合室にネーミングライツ駅名標。「ウエルネス8020」って何か分からなかったのですが愛知県豊橋市にあるこぬま歯科さんのホームページを見たら「80歳で20本の歯」という健康メッセージということでした。しかし豊橋の歯科クリニックがこの場所で広告をする意味はほとんど無いと思うので純粋なサポートですね。

400m離れた海鹿島駅に来ました。外川側にある踏切から駅全体が見えます。木造駅舎がチャーミングです。

こちらは線路と反対側の道路から駅出入口の階段と駅舎を見ています。しかし雨がヒドイんですよ~。

駅舎。出札窓口がそのまま残っています。2007年(平成19年)までは小学校の通学時間帯に限って駅員さんがいたのですが、本銚子駅と同様に無人化されました。

海鹿島駅の途中ですが、次回 雨の銚子電鉄9【50代から始めた鉄道趣味】187 に続きます。

(写真・記事/住田至朗)