AIがインバウンドをご案内 成田エクスプレスと東京モノレールで多言語案内AIチャットボットの実証実験開始
JR東日本グループは、本日2019年10月1日(火)より列車内での多言語案内AIチャットボットサービスの実証実験を開始する。
対象となる区間は成田エクスプレスの成田空港駅~池袋駅間および横浜駅間、東京モノレールの羽田空港第2ビル駅~浜松町駅間。対応言語は日本語・英語・韓国語・中国語(簡体字・繁体字)。駅構内情報や乗換情報などがテキストチャットで確認できるという。
成田エクスプレスではJR-EAST FREE Wi-Fiからインターネットを利用すると、画面にチャットボットアイコンが表示される。
東京モノレールでは同社のホームページ右下にチャットボットアイコンを表示する。画面右下の「CHAT NOW」をクリックするとチャットボットが立ち上がり、質問に答えてくれるという仕組みだ。
実験の背景としては交通機関におけるお客様対応の「多言語化」がある。2011年以降訪日外国人(インバウンド)観光客が急増を続けており、2017年に2,900万人を突破、2020年には4,000万人に到達する可能性もある。それに伴い多種多様な言語での問い合わせが急増していることから、各交通機関ともに対応に取り組んでいる。
今回の実証実験でJR東日本グループと組むtripla株式会社は、旅行・宿泊業界でこの問題にいち早く対応してきたスタートアップだ。同社は旅行業界向けIT・AIサービスを展開しており、2017年に宿泊施設の公式ホームページ上で顧客対応と宿泊予約ができる「triplaチャットボットサービス」をリリース。同サービスは英語・中国語・韓国語に対応していることを強みとしており、導入済みの施設はすでに国内500か所を越えている。
同社は「宿泊業界を中心に成長した「triplaチャットボット」を観光客の移動に欠かせない鉄道業界へ展開することで、業界全体の業務効率化と顧客満足度向上への貢献に努めるとともに、課題解決に貢献するマーケットイン型のIT・AIサービスの導入を進め、旅行業界に新たな価値を創造」すると明言しており、過去にも2018年12月から2019年3月まで実施されたJR東日本「案内AIみんなで育てようプロジェクト」共同実証実験に参画している。
グローバル人材が必要な世の中になったとしても、育成は十年単位で見ていかなければならない。急なインバウンドの増加には最新技術を用いて対応するのが現実的だろう。
実証実験は2019年12月31日(火)までおよそ3か月にわたって実施される。適切に課題を抽出し次につなげられるかどうか、注目したい。
鉄道チャンネル編集部