【鉄の一献 04】小田急江ノ島線善行駅 魚料理・いちろう
善行駅は、駅の南側に江ノ島線で唯一のトンネルがある駅です。藤沢駅から2つ目。
西口のバスロータリー沿いに今日のお店はあります。写真で言うと左側です。
何となく駅周辺をウロウロしていて、地魚料理が美味しそうだし、店の前に張り出されているメニューもリーズナブルだし、何よりもビールが一番搾りだったので今日の夕方はこの店に決定!
17時の開店と同時に入ったので客は筆者一人。所謂(いわゆる)「口開け」という按配です。
最初は地魚で日本酒、と思って入店したのですが、酒飲みの気分なんてモノは当てにならないのです。急にホッピーが飲みたくなりました。学生時代から25mプール1杯分くらい飲んでいますが、壁に貼ってある文字を見て久しぶりに気分が変わったのです。店内に延々と流れるサザン・オールスターズを聴きながらホッピーという気分になっちゃったワケ。
美味しい「つきだし」の写真を撮り忘れました。でもこれで「この店の料理は美味しい」と分かりました。ホッピーなので刺身は止めて、牡蛎フライを頼みました。
これが、実に美味しかった。牡蛎フライの香りを嗅いで食欲をそそられるなんて滅多にない位に香りがよかったし味もよかった。要は、少し時間がかかりますが仕事がすごく丁寧なのです。
ホッピーの中(要は焼酎)をお替わりしてゆっくり牡蛎フライを楽しんだ後は、モツ煮込みにしました。
これもオツな味です。ホッピーが進んじゃうじゃないですか~。
銀杏を頼みました、これが筆者は大好物。サラリーマン時代、転勤していた名古屋で隠れ家にしていた小さな居酒屋、元は鮨職人だった爺さんが半ば趣味でひっそりやってるという住宅街の居酒屋だったのですが、この店の銀杏が絶品でした。焙烙で丁寧に炒ってくれるのです。剰りに毎回銀杏を頼むので爺さんに「お客さん、銀杏をあんまり食べるとバカになっちゃうよ」って言われてました。「もうこれ以上バカは進行しないので大丈夫だもんね」と銀杏をお願いしてましたけど。(笑)
それ以来の上出来な銀杏でした。ここの大将、とにかく仕事が丁寧なんです。
これでホッピーセット2杯、中のお替わり2杯。しめて3,000円ちょっとです。リーズナブル過ぎます。次回は、大将自慢の地魚を食べに来よう、と心に誓いました。
近いうちに魚料理を紹介できると思います。
最後に、大将にコラムに書く旨、快諾いただきました。お店の前で1枚。大将御馳走様でした。
では前回の宿題。ホウレン草のおひたしをはじめ、煮物の決め手になる出汁について。筆者は超簡単に美味しくて濃い出汁をこうやってとっています。
まずは左の昆布、たぶん出汁昆布の切れっ端なんだと思いますが安いので大量に使っています。味は高級料亭の昆布とまではいきませんが、インスタントとは比較にならないです。これをおひたし2回分600cc+αの浄水に5枚くらい落として一晩放っておきます。次の日、ガス台にのせて蛍火で2時間くらい、沸騰寸前で昆布を引き上げます。沸騰させたら「かつおだしの粉」を大さじ4と「あごだしの粉」を大さじ2を投入。1分ほどグラグラと煮出したら不織布の出汁用パックを使って珈琲ドリッパーで漉したら完成。(珈琲のドリップペーパーは目が細かくて詰まっちゃいます)これを冷やしたら半分はその日のおひたしに、半分はガラス容器に移して冷蔵庫で保存して次の日に使います。味噌汁にもいささか上品ですけど、美味しいですよ。
漉すのが面倒なら出汁取り用の不織布パックに「かつおだしの粉」と「あごだしの粉」を多めにいれて2分ほど煮出しても同じものができます。
簡単だし、コストもさしてかかりません。オススメです。毎日やっていると慣れて勘所が分かってきます。
(写真・記事/住田至朗)