厚木で旧相模川橋梁の残っている橋脚に当たる西日の最後の輝きを撮影して、爺さんは文字通り”exhausted”(バテバテ)という状態です。こういう場合、ガツッとパワフルなモノを食べて復活を図るという方法もありますが、筆者は年寄りなのでどちらかというと内臓に優しい系で疲れを癒したいのです。

先日お邪魔した小田急江ノ島線善行駅から徒歩2分の「魚と酒 いちろう」さんの地魚を食べにうかがうことにしました。

大将の一郎さん、自筆のメニュー。絵が巧いなぁ。字も個性的で達者です。

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まずは、一番搾りを、クゥ~っと喉に流し込みます。沁みるなぁ。筆者は、ビールはちょっとで良いのでグラスで生ビールです。

つきだし、大将の手作り。柔らかなマグロの角煮と小芋(関東では里芋)と鶏の煮物でビールをゴクゴクいきました。

今日は寒かったので、熱燗で暖まりたいですね。相模大山純米酒を熱燗にしてもらいます。

本日のメイン、地魚の三点盛。アジとイカ、イサキと鯛の4点ですが、言うまでもなく新鮮で超美味しい。いちろうさんのお醬油は、濃厚でコクのある「たまり」でした。これがイキのの良い刺身をまろやかに包んでくれます。

相模灘と言えばアジでしょう。アジのなめろうもいただきました。ケチケチせずに出てきたのを海苔で巻いて食べました。美味しいですよ~。

相模大山純米酒は、伊勢原の吉川醸造のお酒。大山の山嶺にある吉川醸造は大山の伏流水でお酒を醸しています。相模大山純米酒は、程よい酸味と甘味が馥郁と香る麹の香りに調和するやや辛口。最高の肴の美味しさをゆっくり引き立ててくれるお酒でした。少し杉樽の色が付いているのも食欲をそそります。

相変わらず店内にはサザン・オールスターズの曲が流れています。桑田さんと筆者は同じ学年なのでオンタイムで聴いてきたバンドです。この日は、”熱い胸さわぎ”(1978)”10ナンバーズ・からっと”(1979)、タイニイ・バブルス”(1980)”ステレオ太陽族”(1981)という筆者がドライブしながら飽きるほど聴いた懐かしいアルバムからの曲が多かったので、熱燗を飲みながら音楽もたっぷり楽しみました。当時のカーステレオはカセットテープでした。アルバムから好きな曲を選んで朝・昼・夜・深更用に選曲を変えて何種類もカセットを作っていました。ヒマだったんですね〜。

あん肝ポン酢。これも好物。というか熱燗には必須アイテムですよ~。

これで相模大山純米酒の燗酒を三合。イイ感じに出来上がってきました。もういいかな、藤沢駅でわらび餅買って帰ろうかな、などと考えていたら、刺身に出てきたアジを骨煎餅にして出してくれました。これも好物なので写真を撮る前に一口囓ってしまいました。失敬!

美味しかったなぁ。誰か友人を連れて来たくなります。

大将自筆の「湘南に今日も朝日が登ります。」の前にレジスターがあります。しめて5,000円ちょっと。大満足でした。一郎さん御馳走様でした。

もちろん、帰路、藤沢駅でわらび餅を買って帰りました。

(写真・記事/住田至朗)