フローティング・ラダー軌道 再登場【駅ぶら03】京浜急行47
神奈川駅を出発すると、まず青木橋をくぐりますここからはモロにJR線と並んで横浜駅に向かいます。頭上を首都高速道路が横切ります。神奈川駅から0.7kmで横浜駅です。一瞬「島式ホーム1面2線」かな? と思いますが実は単式ホームが並んでいるのです。
ここからは【駅ぶら】カットです。既に2回横浜駅に行きましたが、タイミング的な理由かホームの混雑がすごくて写真を撮影できる状況ではありませんでした。改めて2月12日の昼前に再訪問して撮影したものです。
下りホーム1番線の品川側の端部から浦賀方面を見ています。12両編成対応ホームなので長い!
少し浦賀方向に進んでもう1枚。
今度は逆に浦賀側の端部に行って品川方面を見ています。午前11時過ぎですが、この様にホームは混雑しています。前2回はもっと混んでいたのです。
駅名標。1929年(昭和4年)京浜電気鉄道(現・京急本線)京浜神奈川駅(現・神奈川駅)~横浜駅間が仮開通。翌年、本開通して現在の横浜駅に乗り入れました。1931年(昭和6年)には湘南電気鉄道とつながり横浜駅~浦賀駅間の直通運転が始まりました。これが現在の京急本線になります。
1974年(昭和49年)京急本線ホームが変則相対式2面2線から島式ホーム1面2線に変更、さらに北口連絡通路も完成。2006年(平成18年)島式ホーム1面2線から変則相対式ホーム2面2線に変更。32年ぶりに上下方向別単式ホーム2面2線構造に戻されました。その際に南改札口も開設されました。2015年(平成27年)副駅名に「そごう・ポルタ前」が追加。2019年(令和元年)ホームドア使用開始。京急では利用者数の最も多い駅です。
これは下りホームから見た線路ですが、この場所からバラスト軌道が突然フローティング・ラダー軌道に換わっています。
既に書きましたが、京急蒲田駅前後の高架線でフローティング・ラダー軌道が施工されていました。騒音が少なく、軽い上に保守が容易なフローティング・ラダー軌道ですが、施工には強固な剛性道床が必要なため、一般的には道床自体から整備する必要があるのです。そのため迂回仮線路を必要とするケースが多く、運行頻度の高い首都圏の私鉄では簡単に施工できない事情がある様です。
横浜駅では駅舎の構造を合理化するためにこのフローティング・ラダー軌道が用いられた様です。
品川側から切り替わったフローティング・ラダー軌道は浦賀側のこの辺りまで施工されています。
この後、横須賀線で三浦半島まで戻りましたが、JR横須賀線(隣は東海道本線)もフローティング・ラダー軌道になっています。JR東日本の担当者さんが土木学会で発表した文章によると「みなとみらい21線、東急東横線の地下駅はJR横浜駅の直下に計画されたため地下駅躯体の建設にあたり東海道線・横須賀線をフローティング・ラダー軌道にした」旨が書かれていました。
京急さんなどのフローティング・ラダー軌道を手がけた伊岳商事株式会社のホームページに分かり易い解説がありました。筆者は不十分な知識で書いていますので専門家による正しい解説をご参照ください。
長くなったので 【駅ぶら03】京浜急行48 に続きます。
(写真・記事/住田至朗)