※2014年12月撮影

トップ画像は、肥薩線矢岳駅ホームの「しんぺい2号」。

真幸駅を出発後、スイッチ・バックした車両はぐんぐん勾配を上ってゆきます。眼下には、真幸駅が見ます。

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※2014年12月撮影

土石流でホームに転がってきた約8トンの巨石も見えました。上から見た方が大きさが分かります。

※2014年12月撮影

日本三大車窓「矢岳越え」、しんぺい2号はサービス停車をしてくれます。しかし残念ながら眺望はイマイチでした。空気が澄んでいれば遠く桜島、開聞岳も見えるそうです。

※2014年12月撮影

山中で資材を運ぶ道路も無い場所で3年もかかる難工事だった矢岳第一トンネル(2,096m)。当時小学校教員や巡査の初任給が8~9円の時代に、73万6千円かかりました。今の感覚で言えば約150億円ほどでしょうか。

坑口、カーブの関係で上手に撮影できませんでした。

※2014年12月撮影

※オリジナル写真が縦なので加工してあります

その坑口に、人吉側には山縣伊三郎揮毫の「天険若夷(てんけいじゃくい)」、吉松側は後藤新平揮毫の「引重致遠」(いんじゅうちえん)」という石の扁額がかかっています。二つを繋げると「天下の難所を工事によって平地であるかのようにしたおかげで、重い貨物であっても、遠くまで運ぶことができる」という意味。

真幸駅から7.3kmで標高536.9mの矢岳駅です。肥薩線では最も高い場所に駅があります。この駅から熊本県に入りました。この駅でも約10分停車します。

※2014年12月撮影

左がホームから見た駅舎に付く駅名標。柱の温度計がチャーミング。右は駅舎正面出入口。

※2014年12月撮影

※オリジナル写真が縦なので加工してあります

矢岳駅舎内部、木造の風情がある駅舎です。天井画高い!

※2014年12月撮影

現役の単式ホームの隣に使われていない島式ホーム1面2線が残っています。かつて蒸気機関車の時代には勾配とトンネルで汚れた顔や口を洗った湧水盤がホームに残っています。水はありません。

※2014年12月撮影

※オリジナル写真が縦なので加工してあります

乗客は、駅の横にある人吉市SL展示館に案内されます。個人的には写真の右端に写っている鉄柱が気になりました。

※2014年12月撮影

近くに寄ってよく見ると見難いですが「鐵道院」(内閣鐵道院1908/明治41年~1920年/大正9年 その後は鉄道省)の文字が読み取れます。山陰本線大田市駅に1890年(明治23年)に建てられた「日本最古の跨線橋鋳鉄製門柱」がありますが、見た目は同じほぼモノです。矢岳駅に跨線橋はなかったと思うので、他所の駅から持ってきたのでしょうか。

※2014年12月撮影

※オリジナル写真が縦なので加工してあります

SL展示館から駅を見るとこんな位置関係です。左の(元)火の見櫓が良いです。

※2014年12月撮影

ホーム脇に標高536.9mの標識。

※2014年12月撮影

ここから肥薩線は一気に標高294.1mの大畑駅に下ります。高低差242.8mを9.5kmですから平均25.6パーミルにもなります。正に蒸気機関車にとっては悪夢の様な勾配です。それ故に巨大なループが存在します。

※筆者は既にコラムなどで青春18きっぷ鉄道旅の写真を度々使用しています。重複していますが、御容赦ください。

※価格などは2014年当時のものです。

(写真・文/住田至朗)