鉄道ファンや子どもたちお目当ての路面電車運転体験(筆者撮影)

愛知県東三河の中核都市・豊橋市を走る路面電車が豊橋鉄道(豊鉄)東田(あずまだ)本線(通称・市内線)だ。路線は駅前~赤岩口、井原~運動公園前の計5.4キロ。開業は大正末期の1925年7月で、当時の社名は豊橋電気軌道だった。

豊橋鉄道は市内線開業100周年を記念して2025年7月1日から1年間、特別企画を継続開催して利用客やファンへの謝意を表す。

ヘッドマーク車両を運転

企画のトップバッターが2025年7月13日、赤岩口車庫での記念イベント。10時の開幕にあわせて、記念ヘッドマーク車両の発車式を開催する。

ヘッドマーク車両として運行されるのは「ほっトラム」ことT1001号。2008年にデビューしたT1000形電車、次世代タイプの3車体連接2台車の超低床路面電車。ヘッドマークデザインは当日、会場で発表する。

赤岩口車庫の会場では、人気の路面電車運転体験も。小学生、一般の2コースで、社員が手を添えるものの、参加者が自らハンドル操作して電車を動かす。

さらに、会場では実際に使用されていた鉄道部品を販売。ホームページで事前に一部販売品を公開予定する。新登場グッズでは、市内線・3203号をモチーフにしたフェイスタオルを売り出す。

豊鉄市内線は多くの路面電車が廃止される中、まちづくりと連動したほっトラムによる話題づくりで1世紀を迎える。国土交通省は2015年に手づくり郷土賞として、豊鉄と、とよはし市電を愛する会による「豊橋の路面電車を活かしたまちづくり」を表彰した。

具体的成果では、中心市街地に新しい電停(停留所)を設置して電車利用客を増やしたほか、毎年「市電の日」のイベントを開催。市民の目を市電に向けさせる。

記事:上里夏生

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