新コースは「戦国×イタリアン」!「くろまつ号」で光秀ゆかりの料理を味わう旅へ
京都丹後鉄道(丹鉄)が運行するレストラン列車「くろまつ号」。その新コースが2020年10月9日からスタートします。先日行われたその試乗会の様子と、ランチコースの新メニュー「戦国イタリアンコース」を紹介します。
ランチコースは、地元の人気ビストロがプロデュース!
「戦国イタリアンコース」をプロデュースしたのは、地元・舞鶴にある人気のビストロ「アメイロビストロ アルル」。地元の食材を使った、丹後の伝統・郷土料理のアレンジ料理が楽しめます。
検温・手の消毒を済ませて車内に入ると、車内にはすでに最初の料理がセッティングされていました。
くろまつ号の定員は30名ですが、現在は感染症対策のため20名に減らしています。そのため、いつも以上にゆったりとした雰囲気で食事が楽しめます。
舞鶴で取れた新鮮な魚介を使った料理は旨味たっぷり。特にこれから旬を迎えるブリを使ったコンフィ(温度が低い油でじっくり煮込んだ料理)は、身がとてもしっとりやわらかくて驚きます。
サバのそぼろを散らした丹後バラ寿司は、ハレの日に作られる丹後の郷土料理です。添えられた合鴨ロースのしぐれ煮は、京都府綾部市の「今しぼり醤油」と天橋立ワインで煮込んだもの。今しぼり醤油は国産の小麦・大豆・塩だけを使った醤油です。調味料まで地元食材へのこだわりが詰まっているのがわかります
コース終盤には、丹波・丹後にゆかりのある戦国武将・明智光秀とその娘・細川ガラシアにちなんだメニューが登場。
まずは、味噌汁で客人をもてなしたという光秀にちなんだ料理、味噌クリームで仕立てた丹波若鶏のグリル。
最後に登場するのが、デザートのガラシアプリン。くろまつ号オリジナルのメダイ(メダル)つきです。メダイはもちろん、持ち帰り可能。ペンダントやブレスレット、キーホルダーなどにリメイクして、さりげない乗車記念としていつも身につけることもできます。
グルメだけじゃない、くろまつ号の旅のお楽しみ
料理以外のくろまつ号のみどころや楽しみ方を紹介します。
まずは、駅員さんたちとの交流。出発駅の天橋立駅、途中の一時停車駅の栗田(くんだ)駅では、駅員さんたちが旗を振るなどしてお見送りしてくれます。
また、絶景ポイントの奈具海岸では15分間停車します。奈具海岸に停車するのはくろまつ号だけ。中でもランチコースの停車時間15分間は、すべてのコースの中でも最も長い停車時間です。空の青、海の青、そして天気がよければ水平線に見える島影と、日本海の絶景を独り占めできます。
奈具海岸を過ぎると、丹後由良駅で約58分間停車。ここでは食事だけでなく、周囲を散策して楽しむこともできます。駅の近くには足湯や日本酒の「ハクレイ酒造」などがあり、そこまで足を伸ばして足湯を楽しんだり日本酒をお土産に購入したりする人もいるそうです。
そこまで足を伸ばすのはという人は、丹後由良駅の駅舎内にある駅舎カフェ「アン・シャーリー」がおすすめです。地元に人に親しまれているカフェで、ちょっとしたお土産などを買うことができます。
もちろん、散策せずにゆっくり車内で食事やおしゃべりを楽しむこともできます。停車時間が長いため、何回かほかの列車とすれ違ったり、抜かされたりします。個性豊かな丹鉄の車両は、見ているだけでも楽しいですよ。
丹後由良駅を出ると、もうすぐ旅も終わりです。料理もデザートが出てきて、列車は絶景ポイントで知られる由良川橋梁へ。ここはぜひ車両前方もしくは後方に移動して、由良川とまっすぐ伸びる橋梁の姿を写真におさめたいところです。
最後にチェックしておきたいのが、車内で販売されるオリジナルグッズです。クリアファイル、手ぬぐいハンカチ、折り紙メモ帳(くろまつ、あかまつ、あおまつとタンゴエクスプローラーの4種)、丹鉄ドリップコーヒーなどが人気だそうです。
2020年10月~2021年3月のくろまつ号のコースは、今回紹介した「戦国イタリアンコース」のほか、丹後・丹波・但馬エリアの食材を使用した「欧風朝食コース」、くろまつ号オリジナルの抹茶のガトーショコラなどが楽しめる「絶品スイーツコース」、日本海の海の幸を肴に大江山の湧水で作った地酒を味わえる「丹後の地肴コース」の4つがあります。
地元の食材や地酒を味わいに、また時間帯によって変わる丹後の自然を楽しみに、この秋・冬はくろまつ号でちょっとしたグルメ旅をしてみてはいかがでしょうか。
文/写真:鶴原早恵子
【関連記事】
地元の旬の食材と車窓の絶景を堪能!「丹後くろまつ号」4月からの新コースをご紹介
https://tetsudo-ch.com/10202148.html