山口観音は80年代的な意味でキッチュ【駅ぶら04】西武狭山線
※2020年11月撮影
トップ画像は、真言宗のお寺金乗院吾庵山放光寺、通称山口観音の山門にあたる仁王門。
放光寺は観音信仰の霊場で、寺伝によれば奈良時代に僧行基によって弘仁年間(810-824年)に開かれました。鎌倉時代末期に新田義貞が幕府を攻めた時にこの寺で必勝祈願をしたと伝わってもいます。
山門をくぐり階段を上ると左に手水舎があって本堂への階段です。
※2020年11月撮影
階段下の右には、新田義貞が鎌倉攻めの際に騎乗した白馬。余生をこのお寺で過ごしたとかで像がありました。勝負する人(ギャンブラー?)に「験(げん)あり」と書かれています。
※2020年11月撮影
本堂、本尊の千手観音(表観音)は秘仏で33年に一度しか開帳されません。本堂裏から拝観できる「裏観音」(所沢市指定文化財)は毎日拝むことができます。
※2020年11月撮影
本堂の横には「武蔵野七福神堂」と「開山堂」が並んでいます。お寺にはいささかエキゾチックな佇まいです。でもこのお寺、全体的にエキセントリックなんです。だって大蛇が塀の上にのたくっていますよ。右上には奥の院「千躰観音堂」の赤い五重の塔が見えます。
※2020年11月撮影
本堂の背後には「水子地蔵尊」が大量に並んでいます。
※2020年11月撮影
なにやら「ありがたみ」よりも個人的には「偏執」を感じてしまいます。
※2020年11月撮影
本堂の周囲壁面には「プレイングベル=祈りの鐘」が並んでいます。チベット仏教はインドで仏教自体の伝統が途絶える直前の後期密教が直接伝わっていて、中観派などインド大乗仏教の系譜が唯一残っているエリアなので個人的に興味があります。五体(両手・両膝・額)投地はしませんが。(笑)
※2020年11月撮影
本殿の右奥、大日堂の横に石仏が並んでいます。「八体守護佛」です。
※2020年11月撮影
奥の院に上る階段がすごい。大蛇です。筆者は膝が痛いのでキッチュな五重の塔までは行きませんでした。
※2020年11月撮影
本堂の横に宝暦八年(1758年)に建立された芭蕉庵桃青の句碑がありました。
※2020年11月撮影
うち寄りて 花生さぐれ むめ椿
山口観音の前には観音茶屋。美味しそうなダンゴの匂いがしてました。
※2020年11月撮影
閻魔堂の前を過ぎて。
※2020年11月撮影
山門(仁王門)の前にある弁天池、弁天堂を眺めて。
※2020年11月撮影
山口観音が、ディープ・アヴァンギャルドというか、俗っぽさを撒き散らしながらも80年代的(再評価)な意味で優れてキッチュでした。
ずいぶん長時間、狭山山不動寺と山口観音に夢中になって少々草臥れましたが、西武球場前駅に戻ってきました。
※2020年11月撮影
では山口線”レオライナー”で西武遊園地駅方面に向かいます。
(写真・文章/住田至朗)