千葉駅 8番のりばに、東京方にLED縦型ヘッドライトを灯して客をむかえ入れているのは、E353系S203編成。

11月26日。きょうも出張。1日おきに都心を横断して中央線で山奥まで行く月。

列車は千葉6:38発、あずさ3号 5003M 松本行き+富士回遊3号 2103M 河口湖行き。うしろ寄り3両が大月で切り離し富士急線へ直通する。

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千葉からはスーツの中高年男性・女性が窓際に座る。このスーツの人たちがどこへ行くかは、50分後にわかる。

千葉を出るとすぐ、新宿運輸区所属の車掌による改札がはじまる。といっても、JR東日本の全車指定席チケットレスシステムでのチェックなので、「きっぷ拝見」はない。頭上のランプをみて、黄か赤の場合に声をかけるだけ。

1日1往復設定の都心横断型あずさは、総武線快速 千葉〜錦糸町・総武線各駅停車 錦糸町〜御茶ノ水・中央線快速 御茶ノ水〜とわたる。

錦糸町を出てすぐ、総武線 急行線から緩行線(各駅停車)に転線。

各駅停車区間の浅草橋〜秋葉原あたりは、止まっちゃうんじゃないかと思うほど低速。2〜3分前後間隔で走る総武線各駅停車の間に入り込んで走るからか、御茶ノ水の先で中央線 急行線(快速)に転線するまで、10km/h前後でゆっくりですすむ。

御茶ノ水駅では、中央線快速電車グリーン車2両増結にむけたホーム延伸工事がみえた。

E353系 千葉6:38発、あずさ3号 5003M 松本行き+富士回遊3号 2103M 河口湖行きは、水道橋手前でゴツゴツと音を立てて緩行線(各駅停車)から中央線 急行線(快速)へ。

列車は定期あずさ発着拠点の新宿に到着。ここで、千葉・船橋で乗ったスーツ姿の男女がいっせいに降りていく。彼らは新宿エリアで働く千葉在住の通勤客だった。

新宿で見事に客が入れ替わる。千葉在住の通勤客が降りると、こんどは山梨・長野方面への出張客と、立川・八王子への通勤客がと入ってくる。

新宿からは、息を吹き返したように加速し、甲州路へと駆けて行く。新宿、立川、八王子と窓際席をほぼ埋めて走る。

車内販売も新宿から。車内には「1〜3号車の富士回遊 河口湖行きには車内販売はない。4号車以降の特急あずさ 松本行きのみの営業」「感染症拡大防止からボックス席にしないで」というアナウンス。

千葉を出てから2時間、大月8:30着。ここでE353系前寄り あずさ3号 5003M 松本行きは3分停車。うしろ寄り富士回遊3号 2103M 河口湖行きは7分停車。

切り離し作業はびっくりするほど静か、なにもなかったように分割する。従来車のように、いったん客ドアを閉めてくるまを前に出すといった手間もいらない。分割作業員が「異状なしです」と乗務員に声をかけて終わり。あとはあずさ3号 5003M 松本行きが先にしれっと出ていくだけ。

きょうはうちの人といっしょに仕事ってことで、進行方向左側(富士山側)のCD席に座った。大月を過ぎて勝沼ぶどう郷がみえて、大きく左カーブすると、甲府盆地がみおろせるから。収穫を終えたぶどう畑は、すっかりなにもない。

座席コンセントでノートPC充電しながら、JR EAST FREE Wi-Fiにつなぐ。トンネル内で Wi-Fi が切れたりする。それでも183系・189系時代からみればE353系は未来。仕事先までやっと半分まできた。