着実に整備が進む鉄軌道駅のエレベーター、エスカレーター=イメージ=

国土交通省が2020年11月20日公表した「令和元年度末鉄軌道の移動等円滑化に関する実績」によると、1日平均利用者数が3000人を超す調査対象駅の2020年3月末時点の段差解消率は91.8%だった。

バリアフリー法(通称)に基づく年次報告。国交省鉄道局は1日利用客数3000人超の駅について、①駅の段差解消 ②視覚障がい者誘導用ブロック ③障がい者対応型トイレ ④点字や音声による案内装置 ⑤障がい者対応型券売機 ⑥拡幅改札口――の導入を推奨する。

整備状況は年度末の採用率を調査。2019年度末時点でエレベーターやエスカレーター、スロープで段差を解消したのは国の規準で全国3288駅となり、前年度末の3241駅、90.4%に比べ実数で47駅増加、率で1.4ポイント上昇した。

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段差解消以外の指標は、誘導ブロック95.1%(2018年度末94.7%)、トイレ88.5%(86.8%)、案内設備73.8%(71.9%)、券売機89.7%、改札口96.2%(95.9%)だった。1日利用客が3000人を超す駅は全国3580駅あり、事業者別ではJR旅客6社1231駅、大手民鉄15社1189駅、地下鉄10社局623駅、中小民鉄と路面電車など537駅。

既に対象全駅の段差を解消した事業者は西武鉄道、京王電鉄、小田急電鉄、東急電鉄、京浜急行電鉄、相模鉄道、札幌市交通局、仙台市交通局、東京都交通局、東京メトロ、横浜市交通局、名古屋市交通局、京都市交通局、大阪メトロ、神戸市交通局、福岡市交通局の全国16事業者。地下鉄は10社局すべてが対象駅のバリアフリー化を終えている。

国交省鉄道局は、鉄軌道車両のバリアフリー化状況も公表。2020年3月末時点の鉄道車両数はJR、民鉄、地下鉄全体で5万2648両、編成数1万1686編成で、うち車いすスペースがあるなど移動円滑化基準に適合するのは車両数3万9287両(完了率74.6%)、編成数6816編成(58.3%)だった。

文/写真:上里夏生