首都圏の電車が、従来よりも早い時間で運転を終了させる「終電繰り上げ」が3月からJR・私鉄の各路線で始まる。

各社がこの3月からのダイヤ改正で、最終電車を早めるなか、「密を避けて座って電車移動したい」というニーズに応える新設・継続サービスもある。

東武鉄道のTJライナー増発や、西武鉄道の特急最終列車継続もそんなニューノーマル時代サービスのひとつ。

東武鉄道は朝の都心行きTJライナーを増発

ADVERTISEMENT

東武鉄道は、東上線の座席指定制有料列車TJライナーの朝、森林公園→池袋 上り便を6時台に1本、7時台に1本、合計2本増発する。

「TJライナーの増発にあわせ、東上線の朝時間帯における一部列車の運転区間の変更や運転の取り止めならびに運転時刻の変更を行います」(東武鉄道)ということから、増便というよりも、いま走ってる朝の一部列車をTJライナー化するというイメージか。

西武鉄道はもともとある最終の特急列車を継続

西武鉄道は、もともと通常ダイヤで走っていた池袋線・新宿線の最終の特急列車を、平日に限り継続する。

池袋線には、池袋を0:00に発つ特急むさし55号 飯能行き がある。新宿線には、西武新宿を23:54に出る特急 小江戸53号 本川越行きがある。この2本の最終特急を、平日に限り継続する。

「密を避けて座って電車移動」ニーズのほかに……

こうした座席指定列車や特急列車の運転割合を増やす傾向は、「密を避けて座って電車移動」ニーズのほかに、分散乗車や車両運用上の都合があるか。

たとえば西武池袋線の001系ラビュー最終特急むさし55号 池袋0:00発 飯能行き は、飯能23:06発池袋行き特急むさし60号の折返し運用で、池袋に23:48に着いて、すぐに座席転換や車内整備を済ませて、12分後の0:00 池袋発 むさし55号で出ていく。

こうした車両の運用上、特急列車は既存のダイヤをくんだ設定にしているという都合もありそう。

また、TJライナー増発などは、分散乗車も視野に入れているか。コロナ前と同じ出勤時間に行く人、密を避けて座って電車移動したい人などがTJライナーを選び、コロナで出勤時間が変動した人やオフピークできる人たちと住み分ける狙いも、あるかもしれない。

※2021年1月27日23時7分 記事内容を一部修正いたしました。(鉄道チャンネル編集部)