映画やテレビドラマのロケ誘致で成果を挙げた自治体や作品を顕彰する、11回目のロケーションジャパン大賞の授賞セレモニーが2021年2月18日に東京都内で開かれ、最優秀賞のグランプリに2020年公開の映画「浅田家!」とロケ地の三重県津市が選ばれた。

映画ファンへのアンケート調査や住民のロケ誘致に関する理解度、地域の撮影サポートなどを基準に専門家が審査した。「浅田家!」は、津市出身の写真家・浅田政志さんの半生がモチーフで、津市と千葉県茂原市で主なシーンが撮影された。

津市の観光振興チームによると、映画に登場した真宗本山・専修寺の参拝者数は映画公開後、それまでの2~3倍に増え、地域を走るJR東海紀勢線、近畿日本鉄道名古屋線、伊勢鉄道伊勢線にもプラスの効果をもたらす。コロナ禍で地域観光は厳しい状況にあるが、今後も津のロケツーリズムは期待できる状況だ。

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津市とともに撮影が行われた茂原市は、もう一つのロケツーリズムアワードで、最高峰の地域大賞を受賞。セレモニーに先立って開かれた、自治体関係者や有識者が話し合う「ロケツーリズムフォーラム」では、長崎県の島原鉄道、北海道上富良野町のJR北海道富良野線、長野県千曲市のJR篠ノ井線としなの鉄道など、映画のシーン形成に欠かせない鉄道の有効性が指摘された。

文/写真:上里夏生