秋田臨海鉄道のディーゼル機関車DE10形1250号機が2月28日、秋田港駅を離れ、仙台臨海鉄道へと渡った。

秋田臨海鉄道DE10形1250はもともと、国鉄むけに日本車輌製造が1976(昭和51)年につくったDE15形1525。

国鉄DE15形は、低規格線区にも入線可能な除雪用機関車としてつくられたディーゼル機関車。同じスタイルの入換用機関車DE10形をベースに1967(昭和42)年から製造された。

ADVERTISEMENT

基本的な構造はDE10形と同じくしたうえに、ラッセルヘッド(除雪機)を連結できる構造にした。運転室の前後方向の窓には、ガラスについた雨滴や雪などを回転ワイパーで吹き飛ばす旋回窓がついている。

その1525は、盛岡や青森など東北地方の路線を担い、34年が経った2010(平成22)年、十勝鉄道へと渡る。

十勝鉄道は、1923(大正12)年に設立された、北海道帯広市に本社をおく企業。1970年代からは、日本甜菜製糖 芽室製糖所専用線や帯広市産業公社線の貨車入換作業や線路保守を請け負った。

DE15形1525は、この十勝鉄道に渡ったときに、ラッセルヘッド連結器などを取り外し、DE10形のようなスタイルに。

そんなDE15形1525が活躍する十勝鉄道は、2012(平成24)年、芽室製糖所~帯広貨物ターミナル 5.4km の専用線を廃止。

十勝鉄道での仕事を失ったDE15形1525は、秋田臨海鉄道むけの改造を受け、形式・車番をDE10形1250と変えて秋田へと渡る。

「平成24年11月に十勝鉄道から転入以降、当社の輸送に尽力してきたDE10-1250号機ディーゼル機関車が、新天地におきましても、「元秋田臨海鉄道」の肩書を背負って、活躍してくれることを祈念しています」

国鉄、JR、十勝鉄道、秋田臨海鉄道と渡り歩いた小さなディーゼル機関車が、こんどは太平洋側の仙台臨海鉄道へ。40過ぎのディーゼル機関車が、東北大震災からの復興を支えるレールを担うべく、まだまだ走る。

(画像:秋田臨海鉄道)