のと鉄道七尾線、鉄道事業再構築実施計画認定 電気式気動車の導入も
北陸信越運輸局は、2025年6月24日付でのと鉄道の鉄道事業再構築実施計画を認定しました。
対象路線はのと鉄道七尾線 七尾~穴水間(33.1km)。計画期間は2025年7月1日~2035年3月31日までの10年間です。のと鉄道を第二種鉄道事業者、JR西日本を第三種鉄道事業者とする現状のスキームを維持したまま、のと鉄道が実施する鉄道施設の整備などにかかる費用を石川県、七尾市、穴水町が負担。のと鉄道の安定的な運行を図るとともに、のと鉄道と沿線自治体が協力し利便性向上と利用促進を行うことで、のと鉄道七尾線の持続持続性を高めます。
具体的な利便性向上の施策として、普通列車の電気式気動車への更新やレール・マクラギの更新による乗り心地改善などが挙げられています。このほかにもデジタル乗車券の導入や運行情報提供装置の設置といったデジタル化、ホームの嵩上げによる段差解消などが盛り込まれました。
利用促進策として「語り部列車」のPR強化、「ポケモン列車」を活用したイベントの実施、観光列車「のと里山里海号」の本格運行再開・魅力向上、サイクルトレインの導入検討などで誘客に力を入れます。また、沿線施設と連携した企画列車や企画乗車券を充実させ、定期利用者や高齢者に対する運賃割引などで利用促進を図ります。
事業費は合計で73億3900万円、一部は社会資本整備総合交付金などを活用する予定です。本計画の効果は次のように試算されています。計画を実施した場合、計画最終年度の鉄道利用者は46万5千人、当期純利益は75万9千円の赤字。実施しなかった場合、計画最終年度の鉄道利用者数は42万4千人、当期純利益は1506万7千円の赤字となります。
のと鉄道は昨年の令和6年能登半島地震により被災し、同年4月に全線で運行を再開しました。7月からは持続可能な地域公共交通の確保を目的として「石川県能登地域公共交通協議会」が設置され、今年3月に能登地域公共交通計画およびのと鉄道再構築実施計画が策定されました。
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