日立製作所は2021年3月17日、鉄道事業システムにおけるグループ会社である日立レールワシントン(以下、日立レール社)が、米国Washington Metropolitan Area Transit Authority(以下、ワシントン首都圏交通局)と、地下鉄車両「8000系」256両の設計・製造に関する契約を締結したと発表しました。最初の車両は2024年に納入される予定です。

本契約にはオプションとして最大800両の設計・製造に関する契約が含まれており、契約金額は最大で22億米ドル(約2,398億円)。日立レール社は今回納入する新型車両の工場を米国に新たに建設し、地域における新たな熟練工を創出するとしています。

新型車両8000系について

回生ブレーキや換気システムの改善、高精細カメラやセキュリティ強化のための厳格なサイバーセキュリティ要件を取り入れ、既存の車両と比べて軽量で安全、かつエネルギー効率の高い走行を実現する車両となっています。

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ワシントン首都圏交通局と日立レール社はサステナビリティへの取り組みを共有しており、新型車両にもその取り組みが反映される模様です。

デジタル画面やリアルタイム情報、ダイナミックマップ、携帯電子機器用充電コンセント、車内全体に取り付けられた手すりなどで、乗客の移動体験を向上させるとしています。

ワシントン首都圏交通局について

ワシントン首都圏交通局は地下鉄全6路線で91駅を保有。総延長は118マイル(約190km)にもおよび、現在は1,292両の車両が運行しています。

ゼネラルマネージャー兼CEO Paul J.Wiedefeld氏は今回の契約締結について次のようにコメントしています。

「8000系の新型車両への投資は、乗客に対して安全で信頼性の高い移動を実現し、地域の経済発展へと繋がります。このプロジェクトにより、我々の成長と地域経済の発展、さらに首都圏全体の雇用創出に貢献します」

鉄道チャンネル編集部
(画像:日立製作所)