近畿日本鉄道(近鉄)と福山通運は、近鉄が大阪難波~近鉄名古屋で運転する名阪特急「アーバンライナー」を使用した貨客混載事業を、ことし夏ごろをめどに実施する。

両社は、大阪難波~近鉄名古屋を運転する名阪特急のうち、「アーバンライナー(next・plus)」車両の列車に荷物を積載することで、大阪市内~名古屋市内の当日配送という新しい輸送サービスを展開していくことで合意した。

「アーバンライナー(next・plus)」で運転する名阪特急は、大阪難波~近鉄名古屋の間を毎時30分発などで、主要駅に停車する名阪特急として、1日17往復運転している。

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両社は今後、国土交通省に対し物流総合効率化法にもとづく総合効率化計画の認定申請を行う。

これまで大阪市内~名古屋市内の輸送については、翌日以降に配送するサービスが主流であり、当日中に配送するにはトラック等をチャーターする方法が一般的だった。

今回の事業では、大阪市内~名古屋市内の当日配送が安価で可能となり、利用者の利便性を向上させる考え。

おもな顧客ターゲットは、名阪間での工業製品・部品、商品(日用品・衣料品)などを配送する事業所間を想定している。

近鉄と福山通運は、鉄道を有効利用する運送サービスのため新たな投資を要さず、トラック配送と代替することでCO2排出量の削減につながると考える。

また、道路事情に関わらない安定した輸送ルートの確保や、ドライバー不足対策などさまざまな効果が期待できると想定している。