圧倒的な存在感【木造駅舎コレクション】001

2021.11.09

※2021年4月撮影

では、木造駅舎のコレクションをスタートします。まずは九州の木造駅舎です。

一口に「木造駅舎」と言っても「建築構造としての木造駅舎全て」ではありません。あくまでも筆者の好みで古く、風趣の感じられる木造駅舎を恣意的に選んでコレクションしてゆきます。

例えば初回は、九州を代表する木造駅舎「門司港駅」を取り上げます。

えっ? この駅舎が、木造なの?

・・・と思われるかも知れません。

※2021年4月撮影

木造二階建てネオ・ルネサンス様式の駅舎です。屋根は明治後半から大正期の洋風建築の屋根に用いられた石盤葺(せきばんぶき)。スレート葺とも言います。1988年(昭和63年)には駅舎として初めて国の重要文化財に指定されています。風格がありますよね。

では門司港駅の歴史を簡単に繙いてみましょう。

そもそもは九州における鉄道の起点駅「門司駅」として1891年(明治24年)に開業。現在の位置とは少しズレた場所に初代駅舎が作られました。

※2021年4月撮影

1901年(明治34年)関門連絡船の運航が始まりました。正に九州の玄関口となったのです。

写真は九州鉄道記念館にある初代門司駅(現・門司港駅)の駅名標。画像はオリジナルの4:3フレームです。

※2005年2月撮影

1914年(大正3年)現在の位置に駅舎が完成。これが現在も使われている駅舎です。

しかし、1942年(昭和17年)に関門海峡を地下で渡る関門トンネルが完成。関門トンネル近くの大里(だいり)駅がトンネルに合わせて位置を変更して門司駅に改称されます。門司駅が山陽本線の終点となり、同時に初代・門司駅は門司港駅に改称されて現在に至っています。

門司港駅になって「九州の玄関口」の役割は失いましたが、そのまま門司鉄道管理局、国鉄九州総局が置かれ国鉄の九州における要の役割を維持しました。

国鉄分割民営化後もJR九州北九州本社は置かれたままでしたが、2001年(平成13年)に福岡本社に統合され北九州本社は閉鎖。北九州本社の建物は、元は三井物産門司支店として1937年(昭和12年)に建てられたものでした。戦後の財閥解体で旧国鉄に売却されたのです。この歴史ある建物は北九州市に譲渡され、耐震工事などが施され今も現役で使用されています。

写真は2005年(平成17年)当時もそのまま残っていたJR九州北九州本社の入口表示。画像はオリジナルの4:3フレームです。

※2005年2月撮影

長くなるので次回に続きます。

※2021年4月撮影

(写真・文/住田至朗)

※駅舎などJR九州様の許可をいただいて撮影しています

※駅などについては『JR全線全駅』(弘済出版社/1997)、『週刊朝日百科 JR全駅・全車両基地01-60』(朝日新聞出版/2012-2013)他を参照しています。

※鉄道撮影は鉄道会社、鉄道利用者、関係者などのご厚意で撮らせていただいているものです。鉄道を撮影する時は感謝の気持ちを持ちましょう。


LINEで送る

オススメ記事