北海道新幹線の心臓部とも言われる「函館車両基地」を特別公開――JR北海道が旅行会社各社と連携し、通常非公開の車両所や工務所をツアー特別貸切で公開します。

北海道新幹線は、2016年3月26日に開業(新函館北斗〜新青森間)。現在は札幌までの延伸へ向けて工事が進められており、北海道と本州を結ぶ交通の大動脈として、さらなる発展が期待されています。

今回の特別公開では、新函館北斗駅から専用の新幹線車両で車両基地に直接入場。走行中の新幹線を間近で見学できるほか、教育・訓練用車両「H296 ふくろう」や、台車・パンタグラフなどの整備作業を、JR社員による解説付きで見学できます。さらに、線路点検用の「確認車」や「レールカート」への体験乗車も予定されています。

H296 ふくろう
H296 ふくろう

今回の注目は「H296 ふくろう」。2025年4月1日から使用が始まった教育・訓練用車両です。

【参考】
JR北海道、地震で用途廃止となったH5系新幹線を教育・訓練用に活用 愛称にアイヌの里の守り神(※2025年3月掲載記事)
https://tetsudo-ch.com/12998640.html

2022年3月16日に発生した福島県沖地震で脱線し用途廃止となったH5系H2編成のうち、1〜3号車と8〜10号車の計6両を修繕し、一部を改造して再活用しています。2号車にはテーブルとモニターが設置されており、講義スペースとしても使用可能。さらに、内部機器の「見える化」によって、車内の各種装置が視認しやすくなっているのが特徴です。

「ふくろう」はアイヌ伝承では里の守り神として知られ、ローマ神話では英知の象徴とされています。JR北海道は「この車両が知恵や経験を与える森の賢者として活躍し、少しでも幸福が訪れるように」との思いから「H296 ふくろう」と命名しました。

公開日は8月30日(土)、9月28日(日)、11月2日(日)の3日間。申し込みは阪急交通社、JTB、クラブツーリズム、JR東日本びゅうツーリズム&セールスの各社で受け付けています。

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